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ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界(イギリス/デンマーク/カナダ/クロアチア・2012年) [少し面白かった映画]

 監督はサリー・ポッター。
 脚本はサリー・ポッター。
 主演はエル・ファニング。
 1960年代のロンドン。地域紛争や民族紛争やテロが起こる社会背景。幼なじみの2人の少女ジンジャーとローザは、毎日会って、一緒にいる時間を過ごしながら、親の生き方に反発したり。ジンジャーは、奔放なローザに感化されて煙草やお酒を経験してみるが、1人で詩を書く時間が好き。次第にローザから離れ始める。やがて、父のないローザは、ジンジャーの父で思想家のローランドと恋に落ち、肉体関係を持つ。そのことを知ったジンジャーは激しいショックを受け、1人で生きて行く道を探る。
 イギリス人女性監督サリー・ポッター。ジンジャーの父親のキャラクターが、私には好感が持てないというか、あまり好きではないタイプなので、感情移入できなかった。サリー・ポッター監督は、1人の男性として好きなタイプかもしれない。そうでなければ、このような映画は撮影できないと思われる。
 ローランド役のアレッサンドロ・ニヴォラは、比較的イケメン俳優ではあるけれど。
 ロンドンの時代背景とジンジャーの思春期独特の迷いや苦悩が、それなりに伝わってきた。

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見知らぬ乗客 (アメリカ・1951年) [面白かった映画]

 監督はアルフレッド・ヒッチコック。
 原作はパトリシア・ハイスミス。
 脚本はウィットフィールド・クック。
 脚色はレイモンド・チャンドラーとツェンツイ・オルモンド。
 主演はファーリー・グレンジャー。
 主人公はテニス選手のガイ。列車の中で、見知らぬ男から声をかけられる。男は、ガイが妻と離婚して他の女性と結婚したがっていることを知っていて、自分の父との交換殺人を持ちかけた。ガイは断るが、男ブルーノは交換殺人計画を実行し始めてしまう。しかもブルーノは、列車内でひそかに盗んだガイのライターを、殺人の証拠としてガイを脅迫。警察からも疑われる。
 ヒッチコックが好きな友人にどの映画が好きか聞くと、この『見知らぬ乗客』が入っている。ヒッチコックらしさとスリラーの面白さでは抜群の魅力があると私も思う。ヒッチコックならすべての映画が好きという私も、この映画のタイトルが浮かぶほど、何度観ても楽しめる。
 他に、『汚名』『白い恐怖』『パラダイン夫人の恋』『舞台恐怖症』『レベッカ』『北北西に進路を取れ』『泥棒成金』『私は告白する』『疑惑の影』『裏窓』なども、何度観ても楽しめるヒッチコック映画。もの足りない映画や退屈な映画を観た後に、何度も観ているヒッチコックのどれかを観ると、満たされた気分になる。面白さ、楽しさの他に、一種の精神安定剤になっているような時もある。

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ジャッジ 裁かれる判事 (アメリカ・2014年) [少し面白かった映画]

 監督はデヴィッド・ドブキン。
 脚本はニック・シェンク、ビル・ドゥビューク。
 主演はロバート・ダウニー・Jr。
 主人公は敏腕弁護士ハンク。母の葬儀で帰郷するが、地元で判事を勤める父とは、以前から不仲で絶縁状態だった。その父が、殺人事件の容疑者として逮捕される。ハンクは父と小さな口論を繰り返しながらも、父の無罪を信じ、弁護することに。父に不利な証拠がいくつも出てきたり、謎や疑問が湧く中で、ハンクは真相を解明していく。
 法廷サスペンスは面白くて好きだが、少し期待はずれだった。父と息子の関係、主人公と妻の微妙な関係、帰郷して再会した昔の恋人との関係など、あちらこちらの人間関係の模様を盛り込み過ぎ、肝心なサスペンス独特のスリリングな面白さが欠けるからだった。判事が殺人容疑で逮捕されるという設定は面白いのに、結末も意外性やインパクトのない、もの足りなさ。
 ロバート・ダウニー・Jrの弁護士役も、ミス・キャスト、というほどでもないけれど、何となく、もの足りない感じだった。
 もっと面白い法廷サスペンスが観たいと思った。


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裏切りの荒野 (イタリア・1967年) [少し面白かった映画]

 監督はルイジ・バッツォーニ。
 脚本はルイジ・バッツォーニ、ラルフ・セルペ。
 主演はフランコ・ネロ。
 フランスの作家メリメの小説やオペラで有名な『カルメン』のストーリーをもとにした映画ということで、興味を持った。ただし、ジャンルは、あまり好きではないマカロニ・ウェスタン。
 主人公のガンマンのホセは、自由奔放で美しいロマの女性カルメンの魅力に溺れ込んで、強盗団に加わり、逃亡し、あげくの果て、他の男に夢中のカルメンを殺害、身の破滅を招くことになる。
 フランコ・ネロのホセ役、悪くはないけれど、たくまし過ぎる感じ。もう少し、男の純真さ、ひたむきさ、弱さが出ているほうが、私は好き。マカロニ・ウェスタンだから、あのようなキャラクターになるのだと思うけれど。カルメンに翻弄されるホセへのイメージが、あるせいもある。
 カルメンのイメージも、この映画では、やはり違う。この映画だけではなく、他の映画でも、オペラでも、なかなか私のイメージするカルメンを観ることができない。映画やオペラの出来としては、それなりに面白くても、私のイメージするロマの女性らしさが、どれも欠けるためである。あくまでも私のイメージするロマの女性らしさとは何かと言えば、それは結構複雑で、運命的、宿命的、神秘的、本能的、野性的、世間にいないような女性であること。ほとんどの映画やオペラのカルメンは、現実に存在するような、奔放で快楽的刹那的魔性の女みたいな感じに描かれる。それが、私には、もの足りない。
 以前、DVDで観たオペラのカルメンは、わりとイメージが近かった。カード占いで自分の運命を、すでに知っている。闘牛士エスカミーリョに魅了されるカルメンは、もうホセのような男に〈男〉を感じない。
 ラストシーンで、ホセから殺される予感と共に、「あんたと一緒に行くのは嫌! 死んだってあたしはエスカミーリョを愛してるんだから!」というようなセリフを口にして、カード占いのとおり、生命を絶たれてしまう。そのラストシーンが私にとっては、クライマックスと言っていいくらいだが、そのシーンに感動し陶酔できる『カルメン』に、なかなか出会えない。
 現実に存在するようなカルメンでは興醒めであるのと同じように、現実に起こり得るような、愛と嫉妬と憎悪から男に殺害される、というだけのシーンでは、もの足りないというより不完全燃焼の気分におちいる。この映画はマカロニ・ウェスタンとして脚色してあるということで、それなりの面白さは感じたけれど。

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イングリッド・バーグマン~愛に生きた女優~ (スウェーデン・2015年) [面白かった映画]

 監督はスティーグ・ビョークマン。
 出演はイングリッド・バーグマン、イザベラ・ロッセリーニ、イングリッド・ロッセリーニ、ロベルト・ロッセリーニ、他。
 イングリッド・バーグマンのドキュメンタリー。
 イングリッド・バーグマンはアーカイブ映像。
 過去の日記やフィルム、子供たちへのインタビューによるコメントから、スウェーデン出身の女優イングリッド・バーグマンが、母国、アメリカ、イタリアで活躍した様子や、夫や子供たちと共に過ごすひとときの断片映像など、興味深く観た。
 子供たちと過ごす時の母は退屈そうだったと、イザベラ・ロッセリーニが微笑みながら語っていたのが印象に残った。

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乾いた花 (日本・1964年) [何となく観てしまった映画]

 監督は篠田正浩。
 原作は石原慎太郎。
 脚本は馬場当と篠田正浩。
 主演は池部良。
 主人公はヤクザの村木。仲間争いの殺人罪で服役し、出所して来たばかり。行きつけの賭博場へ行き、大胆な賭けをしている冴子という少女と出会って、惹かれる。冴子の要望で、大きな賭博場や危険な賭博場へ連れて行くが、クールな村木は彼女に振り回されながらも愛するようになる。
 池部良主演なので興味を持ち、観てみたが、予想どおり期待はずれ。ストーリーはつまらないし、男女のキャストの持ち味も出ているようで全然、出ていない感じ。
 池部良の演技については、あまり好評とは言えないようだが、その持ち味を生かしてくれる監督に、出会えなかったのではないかという気がする。
 現実に会って話をした池部良さんは、とても魅力的だったけれど。

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リピーテッド (イギリス/フランス/スウェーデン・2015年) [少し面白かった映画]

 監督はローワン・ジョフィ。
 原作はS・J・ワトソン。
 脚本はローワン・ジョフィ。
 主演はニコール・キッドマン。
 主人公のクリスティーンは夫と2人暮らし。事故の後遺症で、毎朝、目が覚めた時に、前日までの記憶を失っているという記憶障害。夫のことも、結婚していることも忘れてしまうが、夫は理解しながら、クリスティーンを愛していた。夫が出勤すると、担当医師のナッシュから電話がかかってくる。ナッシュの治療を受けていることを、夫には秘密にしていたが、彼の指示で、毎日、記憶をよみがえらせながら、映像日記を撮影。その記憶の断片を語る日記によって、記憶障害の原因が、誰かに襲われたためと知り、その真相を追求する。
 面白そうなミステリーだが、期待はずれ。クリスティーンの行動に、スリリングな面白さが、やや欠けることや、夫との関係が少し曖昧。担当医師のナッシュが怪しげではあるけれど、キャラクターとしてのもの足りなさも感じた。
 原作の小説は面白そうだが、この映画では、ミステリー独特のストーリー展開や予想外の結末のラストシーンに、迫力も欠ける気がした。

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冬の猿 (フランス・1962年) [面白かった映画]

 監督はアンリ・ヴェルヌイユ。
 原作はアントワーヌ・ブロンダン。
 脚色はフランソワ・ボワイエ。
 主演はジャン・ギャバンと、ジャン・ポール・ベルモンド。
 ノルマンディーの海辺で小さなホテルを経営している初老のアルベールと、一見、旅人のような宿泊客の青年ガブリエルが、その町で共に過ごす時期に起こるさまざまなドラマ。忘れ難い戦争体験のあるアルベール。旅人ではなく、その町を訪れた深刻な理由のあるガブリエル。禁酒を破って深酒を繰り返すようになるアルベール。胸に、破局の恋や幼い娘への想いを秘めたガブリエル。意気投合した2人は、泥酔して町の人々の顰蹙を買ったり、人生を語り合ったりする。
 タイトルの『冬の猿』は、
 ――冬になると迷い猿が人里に降りてくる――
 という中国の話から。中国で戦争体験したアルベールが、その話をするシーンがある。父と息子ぐらいの年齢差がある2人の短期間の交友が描かれ、地味なストーリーだが、それぞれのキャラクターの面白さがあった。アルベールと妻の関係も、ユニークな感じ。ガブリエルの娘への恋しさなど、微妙な心理も伝わってきた。 

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ジャンヌ・ダルク (フランス/アメリカ・1999年) [少し面白かった映画]

 監督はリュック・ベッソン。
 脚本はリュック・ベッソンと、アンドリュー・バーキン。
 主演はミラ・ジョヴォヴィッチ。
 15世紀のフランス。小さな村で暮らす少女ジャンヌは、神の声を聞き、城で王太子に謁見、軍を率いて母国を守る決意を語る。許可を得たジャンヌは武装し兵士たちを引き連れ、イギリスとの戦いに勝利。けれど、その後、ジャンヌは罠にかけられ、囚人となって、ついに火刑台で処刑されてしまう。
 聖女ジャンヌ・ダルクの本を読んだ後、何本か映画を観たが、この映画を含めて、イメージするジャンヌ・ダルクになかなか会えず、感動までいかない。17歳から19歳までのジャンヌ・ダルクの内面が描ききれていないような気がするからだった。神への信仰。少女特有の死を怖れない心。神秘性。清らかで、頑なで、無垢で、信心深い聖女――。本を読んだ時が一番感動した。
 この映画は、リュック・ベッソン監督の、ジャンヌ・ダルクに対する独自の解釈のようなものが伝わってきた。

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愛の監獄 (フランス/ベルギー・2016年) [少し面白かった映画]

 監督はピエール・ゴドー。
 原作はフロラン・ゴンサウヴェスとカトリーヌ・シグレ。
 脚本はピエール・ゴドー。
 主演はギヨーム・ガリエンヌ。
 主人公は刑務所所長のフィルミノ。妻子があり、仕事も家庭も順調だったが、刑務所へ移送されてきた女囚アマリの、若い肉体と美貌とセックスに溺れ込んでいく。
 愛の監獄という、そそられるタイトルだが、あまり深みのない男女のドラマ。ロマン・ポルノ・ドラマと言いたくなるようなストーリーだった。愛とセックスがテーマでも、神秘的だったり凄みがあったり純粋だったりという映画は多いが、それらのどれにも当てはまらない。主人公は本当にアマリという女囚を愛しているのか、よくわからない。アマリも、フィルミノへの愛が本物かどうかも、よくわからない。
 刑務所所長と女囚が男女の関係になるという刺激的な設定なのに、その独特の禁断の関係も、あまり伝わってこない。それでも、所長室でセックスしたり、そのベッドシーンはリアリティがあるというか、ちょっと心身が熱くさせられたけれど。

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