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草原の輝き (アメリカ・1961年) [少し面白かった映画]

 監督はエリア・カザン。
 原作はウィリアム・インジ。
 脚本はウィリアム・インジ。
 主演はウォーレン・ベイティと、ナタリー・ウッド。
 高校3年生のバッドとディーンは愛し合っているが、バッドの性的欲望をディーンは受け入れられずに彼の行為を拒絶。デートでキスはし合うが、それ以上の関係に進まず、2人は悩んでいる。バッドは、厳格な父親のせいで姉が家出し、自分も望まない将来の目的を父から期待されている。心の葛藤を、ディーンに癒やされたいのに、拒絶されてしまうので、他の少女の誘惑に負けてしまう。その事実を知ったディーンは激しいショックで河へ身投げし、救助されたが、精神を病んで入院生活を送ることになる。歳月が流れ、大人になった2人は別々の人生を歩む中、静かな再会を迎える。
 2人の主人公の愛と欲望と迷いが伝わってきて、ストーリーもそれなりに面白いが、大人になってからの再会シーンは、もの足りない感じ。バッドは父の期待にそむいた生き方を選び、外国人の妻と子供と平穏な暮らし。ディーンは精神の病気が治って、結婚前。その再会シーンで、今でも互いを忘れられないほど愛していると、熱烈な、狂おしい抱擁を、予想していたのに期待はずれだった。青春が終わって、平穏な人生を2人は選んだというような結末では、な~んだ、とでも言いたくなるような失望感を味わった映画。とは言え、やはり少年少女の恋と、大人の男女の恋は違うもの。
 若い日のウォーレン・ベイティと、ナタリー・ウッド。それなりの適役に感じられるけれど、可もなく不可もなく、というふうにも感じられた。

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リミットレス (アメリカ・2011年) [面白かった映画]

 監督はニール・バーガー。
 原作はアラン・グリン。
 脚本はレスリー・ディクソン。
 主演はブラッドリー・クーパーと、ロバート・デ・ニーロ。
 主人公は作家志望の青年エディ。出版の契約を交わしたが、原稿がなかなか書けない。自棄酒を飲んだり、恋人のリンディと破局になったり。ある日、元妻の弟ヴァーノンと街中で偶然再会。薬品会社のコンサルタントをしているヴァーノンは、エディの悩みを聞き、新薬を差し出してすすめる。その薬は、通常は20%しか使われていない脳を100%活性化する効果があるという。エディがその薬を飲むと、脳に埋もれていたすべての記憶から、情報収集能力が覚醒し、一晩で小説を書き上げてしまう。翌朝、ヴァーノンを訪ね、彼の頼みの用事で外出。戻ると、部屋は荒らされ、顔を殴られたヴァーノンは死んでいた。新薬が狙われていることに気づいたエディは、部屋にあるだけの薬を持ち出す。エディの人生は一変し、執筆の他に株取引を始める。大物投資家から目をつけられ、会社合併の話を持ちかける。別れた恋人ともヨリを戻し、成功に舞い上がっていたが、突然、身体に異変が起こり、やがて、新薬の副作用に苦しみ、薬の恐ろしい秘密を知ることになる。
 超人的に頭脳明晰になるという新薬、というのが面白い設定だが、将来、開発されそうにも思えた。けれど、耐えがたい副作用があるというのもリアリティのある話。スリリングで面白いサスペンスだった。

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いとこ同志 (フランス・1959年) [面白かった映画]

 監督はクロード・シャブロル。
 脚本はクロード・シャブロル。
 主演はジェラール・ブラン。
 主人公は、法学士の受験生シャルル。田舎から出て来て、パリに住む従兄のポールのアパートメントに同居。ポールは遊び好きな学生で、頻繁にホーム・パーティをして騒いだり、女性関係も派手。真面目で純真な青年シャルルは、そんな従兄の暮らしぶりや都会が新鮮で、感化されるが、初めての恋人をポールに横取りされ、3人で同居するころから、勉学に熱中。試験に合格して母を喜ばせたいと、隣室でのポールのホーム・パーティの騒ぎに耳をふさぎながら勉強。けれど受験は不合格。ポールは友達に身代わり受験させて試験に合格、相変わらず女性にもモテている。シャルルは絶望し、リビングの部屋の壁に飾ってある拳銃に弾をこめる。
 フランスの映画監督・プロデューサー・脚本家のクロード・シャブロル監督、29歳の時の撮影。
 ヌーヴェル・ヴァーグ(新しい波)のフランソワ・トリュフォーたちと出会った後の、監督作品第2作。
 フランス映画の独特の魅力がたっぷりと盛り込まれた、背景、登場人物、ストーリー、ワクワクさせられるファーストシーン、感動の余韻が残るラストシーン。フランス映画ならではの、味わい深いフランス映画。
 従兄のポールが、ホーム・パーティの騒ぎの中で、レコードをかけるシーンがある。モーツァルトの交響曲。ワーグナーのワルキューレなど。レコードから流れるモーツァルトも、ワーグナーも、それらのシーンに効果的。
 母親想いで純真なシャルルと、刹那的な快楽主義者ポールは、対照的に描かれているが、パリが舞台であることと、ヌーヴェル・ヴァーグの斬新な雰囲気が、印象深い魅力的な映画にしているように感じられる。
 ラストシーンで、
(あ、やっぱり!)
 と、思わず呟いたのは、前半で、シャルルとポールが部屋の壁に飾ってある拳銃を手に取り、空砲を撃ちながらのやり取りを見た時、
(この拳銃は、結末の伏線かも……!)
 と、直感したからだった。
 直感は当たって、衝撃的な結末に――。あらためて、クロード・シャブロル監督の脚本の素晴らしさも感じさせられた。
 クロード・シャブロル監督の他の映画も観てみたいと思った。
 
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レッド・オクトーバーを追え (アメリカ・1990年) [面白かった映画]

 監督はジョン・マクティアナン。
 原作はトム・クランシー。
 脚本はラリー・ファーガソン、ドナルド・スチュワート。
 主演はショーン・コネリーと、アレック・ボールドウィン。
 ソ連の最新原子力潜水艦レッド・オクトーバーが、大西洋に出現。アメリカとソ連の軍事戦略が、サスペンス・タッチで描かれて行く。
 潜水艦レッド・オクトーバー艦長を演じたショーン・コネリー。
 CIAアナリストのジャック・ライアン役アレック・ボールドウィン。
 その2人の独特の存在感が際立っていた。
 特に、アレック・ボールドウィンが素敵だった。情報を読むと、アイルランド人、イングランド人、フランス人の血を引くアメリカ出身の、俳優、プロデューサー、司会者。撮影時32歳。この映画で注目された俳優ということである。
 イギリス俳優ショーン・コネリーは、撮影時60歳。30代のころの007シリーズや他の映画より、40代50代と年齢を重ねてからの映画のほうが、私は好きである。『薔薇の名前』(フランス/イタリア/西ドイツ・1986年)が印象深く、忘れ難い。

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炎の人ゴッホ (アメリカ・1956年) [面白かった映画]

 監督はヴィンセント・ミネリ。
 原作はアーヴィング・ストーン。
 脚本はノーマン・コーウィン。
 主演はカーク・ダグラス。
 著名な画家、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの生涯が描かれる。
 画商の弟との関係、一時期、共同生活を送るゴーギャンとの関係を通して、精神を病んで行くゴッホ。
 自殺した時、37歳という短い人生。才能は狂気と共にあり、というより、類い希なる才能こそが狂気を呼び込んでしまうような気がした。
 主役のカーク・ダグラスも、友人のゴーギャン役のアンソニー・クインも、適役で、イメージどおり。兄の才能を信じて援助し続ける弟テオを演じた、ジェームズ・ドナルドも適役で良かった。

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ハムレット (イギリス・1997年) [面白かった映画]

 監督はケネス・ブラナー。
 原作はウィリアム・シェイクスピア。
 脚本はケネス・ブラナー。
 主演はケネス・ブラナー。
 19世紀のデンマーク。王子ハムレットは、急死した国王の亡霊から、王位に就いた弟クローディアスに毒殺されたと聞かされて、復讐を果たす。
 上映4時間の大作。イギリス映画らしい映画、という感じ。
 監督・脚本・主演のケネス・ブラナーの、独自の解釈とキャラクター作りによるハムレット像が描かれている。
 中盤、やや冗漫に感じられるシーンもあったが、4時間が決して長くないと思えるような面白さだった。

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大空港 (アメリカ・1970年) [少し面白かった映画]

 監督はジョージ・シートン。
 原作はアーサー・ヘイリー。
 脚色はジョージ・シートン。
 主演はバート・ランカスター。
 ローマ行き航空機内に、爆弾が持ち込まれたという通報。機長とスチュワーデスが、爆弾の入ったアタッシュ・ケースを必死で探すうち、犯人は爆発と同時に自殺。航空機に亀裂が入り、空中分解の危険を避けて、ケネディ空港に戻ろうとするが、猛吹雪のため空港は全機能が停止。機体に破損箇所ができたことで、乗客たちは酸素不足の苦しみに陥る。空港のジェネラル・マネージャーであるベーカースフェルドは、空港の機能維持を必死で探り、救難作業を行う。
 猛吹雪の中、機能しないコンピューターに、未曾有の危機に直面した、空港のジェネラル・マネージャーと機長とスタッフたち、さまざまな事情の乗客たちを描いていて、航空パニック映画としての、それなりの面白さがあった。
 ただし、現在はもっとコンピューターが進化しているから、もっと早く解決できたり、危機を回避できたりして、乗客の安全は保証されているような気がする。
 ジェネラル・マネージャーを演じたバート・ランカスターの存在感が、他の映画に較べて、やや薄く、もの足りなかった。

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ヒッチコック (アメリカ・2012年) [少し面白かった映画]

 監督はサーシャ・ガバシ。
 脚本はジョン・マクラフリン。
 主演はアンソニー・ホプキンス。
 大好きなアルフレッド・ヒッチコック監督が、どのように描かれているか興味を持った。
 けれど――。
 観始めて、すぐ、何となく失望。主役を演じるアンソニー・ホプキンスを見た時だった。嫌いな俳優ではないが、そう好きでもない。『羊たちの沈黙』(アメリカ……1991年)は適役で良かったが、他に何本か観た映画では、あまり印象に残るような面白さは感じなかった。
 体型を、ヒッチコック監督と同じようにしているが、独特の雰囲気が、全く出ていない。
 テレビでヒッチコック監督のドキュメンタリーを何本か観たので、そのせいかもしれない。
 アンソニー・ホプキンスの独自の解釈のヒッチコック監督、になっているかもと、少しは期待して最後まで観たが、やはり、もの足りない映画だった。ただし、伝記ドラマとして観るなら、夫婦の愛憎とか映画制作の資金難とか、興味深いシーンもあった。

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怪談 (日本・1965年) [面白かった映画]

 監督は小林正樹。
 原作は小泉八雲。
 脚色は水木洋子。
 主演は三國連太郎、仲代達矢、他。
 ギリシャ出身のラフカディオ・ハーン、小泉八雲の怪奇短編作品集から、『黒髪』、『雪女』、『耳無抱一の話』、『茶碗の中』の映画化。
『黒髪』は、貧しい暮らしをしていた武士が、妻と家を捨て、念願の仕官になれたものの、家柄の良い妻は冷たく、愛のない生活。捨てた妻への愛に気づき、帰宅して妻と再会。愛の一夜から目を覚ますと、驚愕の真実を知る。
『雪女』は、吹雪の夜、雪女に出会った若い樵夫(きこり)。美しい娘のお雪と出会い、結ばれて、子供も生まれる。幸せで平穏な暮らしを送っていたが、雪女との約束を破ったことで、実はその雪女だった妻は、去って行ってしまう。
『耳無抱一の話』は、琵琶の名人で寺に仕える抱一が、毎夜、寺を抜け出して、平家の怨霊に取り憑かれ、琵琶を弾き続ける。そのことを知った寺の住職が、抱一の全身に経文を書かせて平家の怨霊を近づけさせないようにするが、経文を書き忘れた耳を、怨霊から切り取られてしまう。
『茶碗の中』は、家臣の関内が、茶の入った茶碗の中に、若い侍の不気味な顔が映る現象が繰り返され、家に来訪したその侍と、ついに決闘となる。
 原作の短編集を、昔、読んで面白かったと思い出す。この映画は4本の作品で、約3時間。どれも面白かったが、1本目の『黒髪』が、一番面白く印象に残った。 

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アルバート氏の人生 (アイルランド・2011年) [少し面白かった映画]

 監督はロドリゴ・ガルシア。
 原作はジョージ・ムーア。
 脚本はグレン・クローズ、ガブリエラ・プレコップ、ジョン・バンヴィル。
 主演はグレン・クローズ。
 19世紀のアイルランド。主人公のアルバートは高級ホテルのレストランで、ウェイターをしている。実はアルバートは女性で、男性を装っていたが、そのことを秘密にしていた。性同一性障害者ではなく、生活していくために、仕方なく選んだ道だった。すでに中高年だが、チップや給料からコツコツ貯めたお金をもとに、小さな煙草ショップを開業する夢を持っていた。
 アイルランドの映画は珍しいので興味を持った。最初、主人公は性同一性障害者と思い込んで見ていたら、そうではなかった。生きていくための手段で、いずれは女性に戻って人生をリセットするのかと思って期待した。けれど――。
 自分と同じように、男を装って生きているボイラー職人のジョーとの友人関係が、中途半端な感じで、もの足りなく、煙草ショップを開業して一緒に暮らしたい若いメイドのヘレンとの関係も、同じように中途半端な感じ。ラストは悲惨で、やや不自然なストーリーの結末に思えた。
 アイルランドの地図や気候を、時々、思い浮かべながら観ていたが、主人公にとっては救われることのない、暗いストーリーに感じられた。
 
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