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ボビー・フィッシャーを探して (アメリカ・1993年) [少し面白かった映画]

 監督はスティーヴン・ゼイリアン。
 原作はフレッド・ウェイツキン。
 主演はマックス・ポメランツ。
 主人公はチェスの天才少年ジョシュ。7歳の時から、公園で行われているアマチュアのチェス・プレイヤーたちから注目されるほど強い。その才能に父親が、昔、世界チャンピオンを何度も獲得したチェス・プレイヤーであるボビー・フィッシャーのように育てたいと、名プレイヤーのブルースと出会って、レッスンを受けさせる。やがてジョシュは少年少女のチェスの大会に出場し、優勝を重ねていく。
 父も母もジョシュを愛しているが、その愛し方に違いがあることがつたわってくるシーンが面白かった。チェスの天才少年としての個性が、もっと強く出ていれば良かったと思う。チェスを除くと平凡な少年、というのは、リアリティはあるのかもしれないが、映画としてはもの足りない気がした。
 ジョシュを指導する名プレイヤー役のベン・キングズレーが、存在感があって良かった。

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灰とダイヤモンド (ポーランド・1958年) [感動させられた映画]

 監督はアンジェイ・ワイダ。
 原作はイェジー・アンジェイエフスキー。
 脚本はアンジェイ・ワイダと、イェジー・アンジェイエフスキー。
 主演はズビグニエフ・チブルスキー。
 第二次世界大戦末期のポーランド。主人公の青年マチェックが、ロンドン派の抵抗組織の中でドイツ軍と闘う姿が描かれる。
 戦争を背景に、生と死を意識しながら信念や思想と共に生きる人間の生命のはかなさ、哀れさが感じられて胸が痛くなるような気分に包まれた。
『地下水道』と同じようにモノクロなので、独特の雰囲気が全編に感じられ、画面の全体だけでなく細部まで、ていねいに撮影されているような気がした。主人公が無残な死を遂げるラストシーンは、特に印象的だった。

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マイ・インターン (アメリカ・2015年) [面白かった映画]

 監督と脚本はナンシー・マイヤーズ。
 主演はロバート・デ・ニーロ。
 電話帳を印刷する会社を70歳で退職後、ベンは妻に先立たれて1人暮らし。生き甲斐を見つけるために、シニア向けファッション通販サイトのインターン(見習い社員)に応募して採用される。事業に成功したばかりの女社長ジュールズはアラフォー世代で、夫が会社をやめ主夫となって家事と育児に専念。公私ともに悩みや迷いを、秘書に昇格させたベンに打ち明け、親愛の情が生まれる。ベンはマッサージ師の熟女女性と親密になり、会社の社員や見習い社員たちからも信頼され人気者になる。
 ロバート・デ・ニーロ70歳過ぎの撮影だが、俳優としても男性としても現役(!)と思わせられるような面白い映画だった。
 仕事を上手にこなしたベンに、ご褒美のようにマッサージ師の熟女女性が、デスクの前に座ったベンの肩や背中から腰へと絶妙なマッサージをしていくシーン。ベンは疲れが取れる心地良さだけでなく、腰のあたりにマッサージ師女性の手で絶妙なマッサージをされると、羞恥と途惑いの表情を浮かべる。隣席の男性見習い社員がすぐに察して、「まだ現役なんですね」と、雑誌をベンに手渡す。その雑誌をベンは股間の上に置き、〈変化〉を隠す。決してダイレクトに愛撫されたわけでもないのに、ベンの肉体の昂ぶりがユーモラスに、しかもリアルに伝わってくる。そのシーンが一番印象に残った。
 主演女優は、私はちょっと苦手。他の女優だったら、もっと楽しめた。
 女社長のキャラクターや、夫の不倫のシーンなど、類型的でありきたりなシーンも少なくないが、独特の演技、豊かな表情、存在感濃厚なロバート・デ・ニーロ主演だから、面白い映画になっていると思った。

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十戒 (アメリカ・1956年) [面白かった映画]

 監督はセシル・B・デミル。
 脚本はイーニアス・マッケンジー、ジェシー・L・ラスキー・Jr、ジャック・ガリス、フレドリック・M・フランク。
 主演はチャールトン・ヘストン。
 旧約聖書をもとにした話。モーゼがイスラエル民と共に聖地を築く。ヘブライ人(ユダヤ人)を奴隷にしていエジプトで、君主のファラオはヘブライ人に男子が誕生すると殺させたが、モーゼは赤児の時、ファラオの娘に救い出される。勇敢な青年となったモーゼは、神から啓示を受け、ヘブライ人(ユダヤ人)の解放のために行動する。
 4時間近い大作だが、ストーリーが面白く、チャールトン・ヘストン演じるモーゼに感情移入しながら観てしまうので、少しも飽きさせられなかった。チャールトン・ヘストンは、このような史劇映画に最も適役に感じられた。

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ニック・オブ・タイム (アメリカ・1995年) [少し面白かった映画]

 監督はジョン・バダム。
 脚本はパトリック・シェーン・ダンカン。
 主演はジョニー・デップ。
 主人公は税理士のジーン。妻を亡くし、幼い娘と2人で新たな生活を始めるため、ロサンゼルスに来た。駅の構内で、不意に現れた、警察だという男女に拉致されて車の中へ。午後1時30分までに、演説会の予定のある女性州知事グラントを殺害しろと迫られる。実行しないと、幼い娘リンの生命はないと脅迫されたジーンは、拳銃を渡されてポケットに隠し、迷いながらも会場へと向かう。
 ストーリーとしては、謎が解明されたり、どんでん返しもあって面白いけれど、主役がイマイチの感じ。脚本も練れていないというか、午後1時30分までという設定もどこか悠長な感じで、サスペンスのハラハラドキドキ感があまり楽しめなかった。最後まで観る程度の面白さはあったけれど。

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偶然の恋人 (アメリカ・2000年) [面白かった映画]

 監督と脚本はドン・ルース。
 主演はベン・アフレック。
 主人公は広告代理店勤務の青年バディ。出張で出かけた空港で欠航となったため、脚本家グレッグと知り合い、もう1人の女性と3人で、バーで飲みながらお喋り。やがて、バディの予約便の出発が可能になるが、家族の待つ家に急ぐグレッグに、チケットを譲る。その便が墜落事故を起こし、グレッグの死亡を知ったバディは罪悪感に襲われる。情緒不安定になってお酒に溺れてしまい、アルコール依存症に。完治したバディは、グレッグの遺族を訪ね、謝罪するつもりが、グレッグの妻と恋に落ちてしまう。
 ストーリーも人物設定も、ありきたりの感じだが、グレッグにチケットを譲ったことの謝罪が、なかなかできず、胸に秘めているバディの内面が伝わってきたところが良かった。
 バディを演じたベン・アフレックがちょっと素敵で、何かの映画で見たことがあると思ったら、『消されたヘッドライン』(アメリカ・2009年)に出演し、国会議員の役だった。国会議員といっても日本の政治家とは全く異なるイメージだったけれど。もちろんベン・アフレックが演じた政治家のほうがはるかに素敵なイメージだった。
 また、ドン・ルース監督の情報を読んだら、私が感動した映画『水曜日のエミリア』(アメリカ・2009年)も、監督・脚本を担当していた。


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グランド・ブダペスト・ホテル (イギリス/ドイツ・2014年) [面白かった映画]

 監督と脚本はウェス・アンダーソン。
 主演はレイフ・ファインズ。
 一流ホテルだが現在は利用客が減少したグランド・ブダペスト・ホテル。休暇中に宿泊した作家が、若い日にベルボーイをしていたゼロ・ムスタファから、ホテルに秘められた謎を明かされる。
 イギリスとドイツの合作ということだが、そのどちらとしても、ちょっと不思議な、変わったムードの映画だった。
 イギリス俳優レイフ・ファインズは、好きな俳優だが、こういう映画でも持ち味がちゃんと生かされていて感心させられた。宿泊客のマダムたちに人気で、ベッドの相手も忙しいコンシェルジェというのが、面白おかしく適役の演技。
 そのグスタヴから、友達と言われ兄弟とも言われるほど信頼されるベルボーイのゼロを演じたF・マーレイ・エイブラハムも、個性的で味わいのある俳優。
 コメディ・タッチではあるけれど、ストーリーはシリアスな、ミステリー・コメディというジャンルで、新鮮な面白さがあった。

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歌劇 オテロ (新国立劇場 4月19日) [感動のオペラ]

 指揮=パオロ・カリニャーニ
 演出=マリオ・マルトーネ
 作曲=ジュゼッペ・ヴェルディ
 原作=ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『オセロ』
 出演=
 オテロ……カルロ・ヴェントレ
 デズデーモナ……セレーナ・ファルノッキア
 イアーゴ……ウラディーミル・ストヤノフ
 ロドヴィーコ……妻屋秀和
 カッシオ……与儀巧
 エミーリア……清水華澄
 ロデリーゴ 村上敏明
 他
 東京フィルハーモニー交響楽団
 新国立劇場合唱団
          ☆
 15世紀末。ヴェネツィアの将軍オテロはアフリカ出身の黒人ムーア人。トルコ艦隊を撃破し、キプロス島の総督に就任。旗手のイアーゴは、カッシオを副官にしたオテロを憎悪。悪巧みによって、オテロの美しい妻とカッシオの浮気をオテロに吹き込み、妻への深い愛と自身のコンプレックスから生じる嫉妬を煽り立てる。オテロは妻に裏切られたと思い込み、嫉妬と憤りから殺害。侍女エミーリアの証言でイアーゴの奸計と知り、自害する。
 久しぶりに生のオペラを観た。『オテロ』は私の好きなオペラのベスト10の中の1本。原作のストーリーの面白さ。登場人物たちの際立ったキャラクター。テノール、ソプラノ、バリトンのそれぞれのアリアに、力強さ、悪の宿命、愛の哀しみ、死と祈り、自制できない人間の心の動きなど、深く感情移入しながら聴ける、飽きさせられないオペラだからである。
 初めて『オテロ』をDVDで観た時、オテロを歌って演じたプラシド・ドミンゴに深く魅了された。新国立劇場で『オテロ』を観るのは、3回目。前回の2012年の公演と同じ演出だが、カーテンコールの拍手を終えて席を立った時、不完全燃焼気味の気分に包まれた。オテロを歌ったカルロ・ヴェントレは張りがあって伸びやかで力強くて素晴らしいテノールだった。デズデーモナを歌ったセレーナ・ファルノッキアも美しいソプラノだった。イアーゴのバリトンも悪くはなかった。けれど――。
 それぞれのキャラクターの情感が、私の心に濃密に伝わってこないような気がした。もっとキャラクターの個性を生かしたオーバーな演技と言っていいくらいの迫力があったら、全体にもっと盛り上がって素晴らしかったような気がした。
 私が一番好きな第4幕のデズデーモナの寝室が、もの足りなかった。ベッドか、カーテンか、衣装か、ロマンティックな何か1つでもあって欲しかった。終幕に至る大事なシーンだし、もっと工夫して欲しかった。
 5年前に新国立劇場で観た『オテロ』を思い出す。水路など舞台セットに多少の違和感はあっても、それが気にならないほど、とても素晴らしかった。将軍のオテロは男らしくたくましく妻への愛に満ち、嫉妬と妄想に狂乱。イアーゴは悪の権化と宿命の哀しみ、デズデーモナはこの上なく清純で夫を愛し神のもとに召される美しい覚悟。それらが伝わってきて、とても素晴らしく感動的なオペラだった。
 感情移入し過ぎたあまり、デズデーモナが夫に殺される予感と、夫への愛と、そして神への祈りを表現したような『柳の歌』と『アヴェ・マリア』を聴きながら、涙があふれて止まらなかった。今回、涙は少しで、5年前の時の10分の1ぐらい。1日のうちに何度か情緒不安定な時間がおとずれる、現在の私の心境のせいも、あるかもしれない。
 ともあれ、久しぶりに生のオペラを観たことの満足感には包まれた。


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乱気流/タービュランス (アメリカ・1997年) [面白かった映画]

 監督はロバート・バトラー。
 脚本はジョナサン・ブレット。
 主演はローレン・ホリー。
 一般の乗客5人と2人の殺人犯と護送する4人の保安官を乗せた航空機がニューヨークからロサンゼルスへ向かうが、連続殺人犯ライアンがハイジャック。機内で保安官や機長や乗客たちを銃撃し、機長も副機長も銃殺されてしまう。スチュワーデスのテリーは操縦室にこもり、旅客機危機管理センターからの指示のもと、自動操縦の機体を操作し、暴風圏に突入するリスクの中、異常な精神状態のライアンと1人闘いながら、危機を脱出する。
 タイトルのタービュランスとは、乱気流の意味。この映画の邦題『乱気流/タービュランス』は、センスがないというか無能というか。そのどちらかのほうが印象的で引き締まるのに。間延びしたヘンな邦題。
 航空機という密室の中、凶悪犯と2人きりのスチュワーデスの恐怖。しかも乱気流に突入する機体。犯人が、機体のコンピューター・プログラムを操作し変更させたり。最後はきっと危機から脱出できるという結末は予想できるのに、ハラハラドキドキさせられる面白いサスペンスだった。 


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パニック・イン・スタジアム (アメリカ・1976年) [少し面白かった映画]

 監督はラリー・ピアース。
 脚本はエドワード・ヒューム。
 主演はチャールトン・ヘストン。
 ロサンゼルスの競技場でフットボールの大試合が行われ、多くの観客が観戦中、無差別乱射事件が発生。観客たちはパニック状態。ロス警察のホリー警部の指示のもと、特殊部隊SWATが犯人を狙撃する。
 観戦に来た観客たちの人間模様の断片的なシーンもあるが、やや中途半端な感じ。主人公の警部の指示に、イマイチ迫力が感じられず、チャールトン・ヘストンの魅力があまり出ていなかった。
 狙撃された犯人が名前を口にして息を引き取っただけで、動機も何もわからないという、もの足りない結末だった。
 特殊部隊SWATの活動は、格好良く勇ましく感じられた。


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