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愛しのロクサーヌ (アメリカ・1987年) [面白かった映画]

 監督はフレッド・スケピシ。
 原作はエドモン・ロスタン。
 脚本はスティーヴ・マーティン。
 主演はスティーヴ・マーティン。
 大きな鼻にコンプレックスを持っている、消防団長のC・D・ベイラズは、彗星の研究のために町にやって来た天文学者のロクサーヌに恋をする。ロクサーヌは若い新人消防士クリスのルックスに惹かれ、クリスもロクサーヌに想いを寄せる。消防団長C・Dは、自分の心を隠し、クリスに頼まれてロクサーヌへのラブレターを代筆したり、2人がデートの夜、ロクサーヌへの甘い言葉をクリスに教えたり。ロクサーヌは手紙の詩的でロマンティックな言葉に酔わされるが、それらが偽の手紙で、書いていたのは消防団長のC・Dと知り、憤慨するが、彼への真実の愛に気づく。
『シラノ・ド・ベルジュラック』(フランス/ハンガリー・1990年)のアメリカ版コメディで、主なストーリー展開やキャラクター設定は似ているが、職業を消防団長にしたところが面白かった。その消防団長を演じたスティーヴ・マーティンが適役で、大きな鼻のコンプレックスも、ロクサーヌへの恋心も、ユーモラスに時にはシリアスに伝わってきた。
『シラノ・ド・ベルジュラック』も面白かったが、ラストがハッピー・エンドのこの映画も、楽しく面白かった。

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サボタージュ (イギリス・1936年) [面白かった映画]

 監督はアルフレッド・ヒッチコック。
 原作はジョセフ・コンラッドの『密偵』。
 脚本はチャールズ・ベネットと、イアン・ヘイ。
 主演はオスカー・ホモルカ。
 主人公は映画館主のカール。妻にも秘密で、破壊行為(サボタージュ)を行うテロ活動をしている。今回の標的は、ロンドン市長の就任パレード。刑事が、八百屋の従業員になりすまして見張っている中、カールは幼い義弟に、中身を知らせず時限爆弾の入った包みを運ばせるが、道草を喰ったため義弟はバスに乗車中、爆破されて死んでしまう。
 ヒッチコック監督の2作目で、原題は『The Secret Agent』(諜報部員)。
 映画館主と、その妻に対する、青年刑事の対立や同情などの心の動きや、館主が妻から殺される時の心理が伝わってくるシーンが、特に面白かった。
 ヒッチコックの映画は古くても新しくてもすべて好きなので、観る前からワクワクするし、どの映画も楽しめる。
 この映画撮影の3年後に、アメリカで活躍するようになった他の作品とは、ひと味違うようなタッチと面白さを感じた。

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あの頃ペニー・レインと (アメリカ・2000年) [面白かった映画]

 監督はキャメロン・クロウ。
 脚本はキャメロン・クロウ。
 主演はパトリック・フュジット。
 主人公は、大学教授の母と、姉のアニタと共に暮らす15歳のウィリアム少年。姉は、厳しい教育方針の母に反抗して、恋人と共に家を出る。その姉が部屋に置いて行き、ウィリアムにすすめたロックのレコードを聞くうち、ウィリアムはすっかり魅了されたロックについての記事を書き始めた。その記事を、ロック雑誌の出版社に郵送。認められて、原稿の注文を受ける。ウィリアムの好きな新進バンドのツアーに同行して取材し、記事を書くことに。そのバンドの追いかけ少女であるペニー・レインに恋をするが、彼女はバンドのギタリストの愛人だった。
 音楽ライター志望の少年の淡い恋と、ロックのメンバーたちや母や姉との関係を通して、ウィリアムが少年の眼で見て行く世界、そして成長していく様子が描かれていく。
 タイトルの『ペニー・レイン』(Penny Lane)は、ビートルズ・ナンバー。ビートルズの故郷のリヴァプールにあるバス通りの名前で、日本でもブティックや飲食店の看板で見かけるし、吉田拓郎の『ペニー・レインでバーボン』という歌もある。ただし、原題は『Almost Famous』(ほとんど有名)。
 この映画では、少年が淡い恋心を寄せる少女の名前で、ペニー・レインというニックネーム。本名は、誰も知らない。そのペニー・レインを演じるケイト・ハドソンが、謎めいた美少女のキャラクターを個性的にみごとに演じている。
 主人公の母や姉や先輩ライターやバンド・メンバーたちなど、登場人物がそれぞれ面白く描かれているが、何と言っても、この映画を面白くしているのは、主人公ウィリアムの独特のキャラクター。主役のパトリック・フュジットが、とてもヴィヴィッドでユニークでみずみずしくて可愛らしくて純真でひたむきな少年の姿を浮き彫りにしていること。
 ところどころ、思わずクスッと笑ってしまうようなシーンもあり、予想外の結末のラストシーンも爽やか。みごとなオチで、脚本の素晴らしさを感じさせられる。
 ウィリアム少年が母の言いつけを、守ったり破ったりしながらも、音楽ライターの仕事に夢中になり、1970年代のストーリーなのでリュックやデイパックではなく、ショルダー・バッグを揺らして走る姿が、何とも可愛らしくて印象に残った。
 脚本も書いたキャメロン・クロウ監督は、16歳で『ローリング・ストーン』誌の記者をしていたということ。この映画は、キャメロン・クロウ監督の自伝的ストーリーで、少年時代に大人たちと交じわっての、ユニークで豊富な体験が伝わってきた。 

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ドク・ハリウッド (アメリカ・1991年) [面白かった映画]

 監督はマイケル・ケイトン・ジョーンズ。
 原作はニール・B・シェルマン。
 脚本はジェフリー・プライスと、ピーター・S・シーマンと、ダニエル・パイン。
 主演はマイケル・J・フォックス。
 主人公は外科医ベン・ストーン。救急病院の勤務に嫌気がさして、ビバリーヒルズで美容整形外科医になることを決意。その美容外科クリニックでの面接に行くため、愛車を走らせる途中、南部の田舎道で事故を起こしてしまう。事故の代償として、医師不足の町の診療所で、無料奉仕することになってしまった。
 おかしくて笑えるハート・ウォーミング・コメディ。マイケル・J・フォックスの外科医役が、とてもいいのである。収入の少ない救急病院から、高収入を得られるビバリーヒルズの美容整形外科医になろうとする、軽薄だが優秀な医師のキャラクターを、コメディ・タッチで演じてマイケル・J・フォックスの持ち味と魅力がよく出ている。
 ストーリーも面白く、登場人物たちも、皆、面白い人間ばかり。美人助手ルーとの関係も、爽やかに描かれている。
 町の住人の主婦の、出産シーンには驚きだった。婦人科医ではなく、外科医がお産を取り扱う、赤ちゃんを取り上げたり、処置したりできることに少し驚いた。
 女性とお酒を飲むシーンで、『ベッドルームの静かな恐怖』という名前のカクテルが出てきたのも、おかしかった。ベッドルームの静かな恐怖、って、意味ありげというか意味深というか……。
 あらためてマイケル・J・フォックスという俳優の情報を読んでみると、30歳の時、パーキンソン病を発症、とあるが、この映画の撮影が30歳。撮影後の発症だと思うが、98年にパーキンソン病であることを公表。『マイケル・J・フォックス パーキンソン病リサーチ財団』を設立し、自伝の著書がベストセラーに。カナダ出身で、陸軍軍人の父親の家庭、5人兄弟の4番目、ということなども知った。

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麻雀放浪記 (日本・1984年) [面白かった映画]

 監督は和田誠。
 原作は阿佐田哲也。
 脚本は和田誠と、澤井信一郎。
 主演は真田広之。
 終戦後の上野。主人公の青年・哲は、バクチを教えてくれた男・虎と偶然会ったことから、賭博の場に連れて行かれ、プロの賭博師・ドサ健を知って友達になり、麻雀にのめり込んでいく。また、アメリカ兵相手の秘密カジノのママとの関係で、哲は初めて女性を知り、夢中になる。一方、ドサ健の愛人まゆみに対して、特別な感情を抱く。まゆみはドサ健から女郎に売り飛ばされそうになるが、それでもひたむきにドサ健を愛し続ける。
 阿佐田哲也の小説の映画化。小説も面白かったし、この映画も面白い。若い哲が、未知の世界の女性の心の動きを知っていくところ。世間の荒波に揉まれた大人の女であるカジノのママと、対照的に純真でひたむきなまゆみ。ドサ健を通して、勝負師という人間を見つめて、心が揺れるところ。ラストシーンは衝撃的で驚かされるが、人間の生き死にに半ば麻痺しているような、終戦直後という時代背景のせいもあるのだろうか。
 真田広之は、好きな俳優。この映画も適役に思えるけれど、やはり『道頓堀川』(日本・1982年)の、年上の女性を愛する画家志望の青年役が、素敵で素敵で、忘れ難い。思い出したら、『道頓堀川』をまた観たくなった。

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あしたのパスタはアルデンテ (イタリア・2010年) [面白かった映画]

 監督はフェルザン・オズペテク。
 脚本はフェルザン・オズペテク、イヴァン・コトロネーオ。
 主演はリッカルド・スカマルチョ。
 主人公は作家志望の青年トンマーゾ。自宅のローマから、パスタ会社経営の実家で開かれる晩餐会出席のため、南イタリアへ。兄の新社長就任発表の晩餐会の前に、兄に秘密を打ち明ける。作家志望であること、ゲイであること、大学は経営学部ではなく文学部を卒業したこと。それらの秘密を親族の前で告白するつもりと。ところが、兄のアントニオが晩餐会で自分がゲイであることを告白。父が驚愕と激怒のあまり、心臓発作を起こして入院。トンマーゾは、秘密を告白しそびれて、実家に滞在することになってしまった。
 イタリア映画らしいというより、イタリア映画中のイタリア映画。イタリア映画の魅力を、たっぷり堪能できる面白い映画だった。父と息子の対立や、母親の苦悩、兄弟喧嘩、自分はゲイであることを隠し続けることになるトンマーゾの迷いや悩み、出版社に持ち込んだ原稿がボツになったり、ゲイの仲間たちがやって来たり、ラスト近くでは母親が、丹念なメイクをして好物のケーキを片っ端から食べた直後に自殺――など、主人公を中心に登場人物たちの内面も描かれて、予想外のストーリー展開の面白さ。決して暗くなく、ユーモラスなシーンあり、シリアスなシーンありで、テンポ良く淡々と進んで行くが、根底には家族愛もあるし、それぞれの愛の対象との関係や感情もきちんと描かれている。
 こんな面白い映画を撮影し、脚本も担当したフェルザン・オズペテク監督、58歳。トルコ出身の脚本家でもある監督で、イタリアに住み、ゲイであるということ。道理でと思われるほど、この映画で描かれるゲイの愛も内面も、決して特殊ではなく、ひとつの美しい愛のかたちと感じさせられる。
 主人公の作家志望青年を演じたイタリア俳優リッカルド・スカマルチョは、濃い顔立ちのイケメンで、その眼とまなざしの表現力は抜群。他のキャストもすべて良かった。
 邦題のアルデンテとは、スパゲッティの麺の中心部に芯が少し残っている茹で加減の意味、ということを知った。
 原題は『Mine vaganti』。何をしでかすかわからない危険人物、という意味らしいが、主人公始め、登場するすべての人物に言えることのような気がした。

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愛と死の間で (アメリカ・1991年) [面白かった映画]

 監督はケネス・ブラナー。
 脚本はスコット・フランク。
 主演はケネス・ブラナー。
 主人公は私立探偵マイク。記憶喪失の女性を自宅に預けられ、催眠術師の療法で次第に記憶を呼び覚ます彼女の身許を調査するうち、マイクと彼女は次第に愛し合うようになる。その調査によって、40年前、新進作曲家の夫が妻を惨殺した事件が浮かび上がる。その転生に、自分たちが深く関わっていることを知り、真相を追求していく。
 好きなジャンルのサスペンス・ミステリー。その面白さをたっぷり堪能できた。しかも輪廻転生というテーマを効果的に取り入れているのが新鮮な感じだった。さらに、この映画を観て、イギリス出身の俳優ケネス・ブラナーの魅力も堪能できた。主役であり監督もしたこの映画への思い入れのようなものも感じられる。のびのびと演じての好演というより熱演ぶりが伝わってきた。
 40年前に新進作曲家である夫が、妻を惨殺という謎がストーリーを面白くしているし、その謎が解明されていく予想外の展開も真相も面白かった。その上、愛もちゃんと描かれているところもいい。トリックの妙や面白さだけでなく、愛が描かれているサスペンス・ミステリーこそ、私の観たい映画。脚本家の才能もあると思うが、愛の輪廻転生と言えるような独自の世界を楽しめる、もう1度観たくなるような面白い映画だった。 

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SHIBARI 壊れた二人 (フランス/ルクセンブルク/ベルギー・2013年) [面白かった映画]

 監督はエレーヌ・フィリエール。
 原作はフランスの作家レジス・ジョフレ。
 脚本はエレーヌ・フィリエール。
 主演はレティシア・カスタ。
 美しい人妻が、著名な金融投資家から、愛人として雇われる。金融投資家はSMを好み、自分はM、愛人にS役をさせる。人妻は次第に、異常なプレイにのめり込んでいく。やがて、現実と妄想の世界に揺れながら、危険な行為がエスカレートしていき、死の結末を迎えることに。
 現実には経験がないが、小説や映画でのSMの世界は、ちょっと興味を引かれる。銀行家の邸宅の地下で繰り広げられる衝撃的なプレイは、感情移入はできるが、感覚移入はイマイチ。人妻と夫との関係は、あえて説明を省いた意図は感じられるが、やや、もの足りない気もした。
 現実にフランスで起きた事件の小説が原作ということだが、フランスならありそう、というリアリティのある世界。
 ただし、ヘンな邦題に興醒め。原題は『UNE HISTOIRE D'AMOUR』。愛の物語、の意味。原題と映画内容をよく吟味して、邦題をつければいいのにと思う。(多分、ストーリーを読んだだけで邦題をつけたか、映画を観ていても、感性の鈍い、感受性の乏しい、無能でセンスのないと言いたくなる映画輸入会社社員。)
 フランス出身の女優レティシア・カスタが、セクシーで魅力的だった。 
 エロティシズム+サスペンス+スリラーの面白さは、それなりに堪能できた。

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超高層プロフェッショナル (アメリカ・1979年) [面白かった映画]

 監督はスティーヴ・カーヴァー。
 脚本はリー・チャップマン。
 主演はリー・メジャース。
 超高層ビルの建築を請け負った会社が、さまざまなトラブルやプレッシャーを乗り越えて、完成されるまでが描かれる。
 作業員たちは超高層ビル建築の仕事の経験がある者ばかり集められたが、タンクの爆発があったり、爆風で高層階から落下して亡くなる事故も起こる。
 作業員同士の人間関係や、男たちのプライドなども伝わってきて、無事に完成するのかどうかとハラハラさせられる面白さ。
 現代ならコンピューターを駆使して、もっと短期間に、もっと安全に建築できるのかもしれない。敵対する人間の嫌がらせや困難にぶつかりながらも、1つの目標に向かって行く作業員たちの勇気や気概を感じさせられるシーンなどが面白かった。


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パリジェンヌ (フランス・1961年) [面白かった映画]

 監督はジャック・ポワトルノー、ミシェル・ボワロン、クロード・バルマ、マルク・アレグレ。
 脚本はジャック・ポワトルノー、ジャン・ルー・ダバディ、ミシェル・ボワロン、アネット・ワドマン、クロード・バロア、クロード・ブリュレ、マルク・アレグレ、ロジェ・ヴァディム。
 主演はカトリーヌ・ドヌーヴ、ダニー・サヴァル、ダニー・ロバン、フランソワーズ・アルヌール。
 パリジェンヌの恋を描いた、4本のオムニバス映画。
 第1話は、パリの踊り子がヒロイン。第2話は、有閑マダムがヒロイン。第3話のヒロインは、ニューヨークに住むパリジェンヌ。第4話のヒロインは、女子学生。
 どれもパリとパリジェンヌの雰囲気を堪能できるが、第4話で、若いカトリーヌ・ドヌーヴが、大人の恋に憧れ、恋人とめぐり逢う女子学生を演じた短編が印象的。撮影時、カトリーヌ・ドヌーヴ19歳、映画初デビュー作品。『シェルブールの雨傘』の2年前である。

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