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たそがれの女心 (フランス/イタリア・1953年) [少し面白かった映画]

 監督はマックス・オフュルス。
 脚色はマルセル・アシャール、マックス・オフュルス、アネット・ワドマン。
 主演はシャルル・ボワイエと、ダニエル・ダリュー。
 主人公はパリに住む貴婦人マダム・ド……。夫は将軍のムッシュウ・ド……。貴婦人マダム・ド……が、夫から贈られた結婚記念のダイヤの耳飾りを、馴染みの宝石商人に売ったことから物語が始まる。やがて貴婦人マダム・ド……は、パリに赴任する大使ドナティ男爵と恋に落ちる。
 フランス映画『赤と黒』で、主人公の青年と愛し合う人妻役を演じたフランス女優ダニエル・ダリュー。貴婦人としては適役だし、夫役がシャルル・ボワイエなので期待したが、何となくストーリーに盛り上がりがないというか、燃え盛るような不倫の恋は感じられなかった。
 夫への愛が醒めていて、男爵と恋に落ち、抱擁のシーンで、「愛してませんわ、愛してませんわ」と口走りながら言葉と逆に愛を告白するシーンは印象的だった。その後の抱擁のシーンで、男爵が、「きみの言い方で愛してると言ってくれ」と言うと、「愛してないわ、愛してないわ」とまたしても心と逆の言葉を口走る。そのセリフとシーンは良かった。
 男爵を演じたのが、イタリア映画『ひまわり』(1970年)の監督のヴィットリオ・デ・シーカ。監督であり、俳優なのだと、Wikipediaを読んで知ったが、出演作品より監督作品のほうが多かった。


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ラストキング・オブ・スコットランド (アメリカ・2006年) [面白かった映画]

 監督はケヴィン・マクドナルド。
 原作はジャイルズ・フォーデン。
 脚本はジェレミー・ブロックとピーター・モーガン。
 主演はフォレスト・ウィテカー。
 実在のウガンダ大統領イディ・アミンの実像と虚像を描いた政治サスペンス。
 主人公は、大統領の側近となったスコットランド青年ニコラス。医大を卒業したニコラスは、父に反発して出国。冒険心からウガンダへ行き、村の診療所に勤務。軍事クーデターによってイディ・アミンが新大統領となった直後で、ニコラスはアミンの演説を聞き、彼に傾倒していく。後日、怪我をしたアミンを救ったことで、アミンから気に入られ、主治医になると同時に側近として信頼を得るようになる。やがて、ニコラスはアミンの正体を知ることになり、身辺が危険に追い込まれていく。
 医大を卒業したニコラスが、地球儀を回し、目を瞑って指を指した国に行くと決めるというのが面白かった。ウガンダ大統領の表の顔と裏の顔が暴かれていくシーンや、アミンが暗殺を予感し、周囲に疑い深くなっていくところ、ニコラスが生命を狙われるシーンなどサスペンスフルな面白さがあった。

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夜霧のしのび逢い (ギリシャ・1963年) [感動させられた映画]

 監督はヴァシリス・ジョルジアデス。
 原作はアレコス・ガラノスの戯曲。
 脚本はアレコス・ガラノス。
 主演はジェニー・カレッティ。
 港町の歓楽街で働く娼婦たちの生きざまと悲哀が描かれる。
 青年ペテロは、エレニと恋人同士で、連日のように遊園地で会っていた。清純な美貌のエレニは自分のことをあまり語らない。しかも、時間がくると帰ってしまう。実はエレナは娼婦だったが、そのことを隠していた。仲間には、少年の恋人がいたり、父親ほどの年齢の船長にプロポーズされたりしている娼婦もいた。やがて公娼制度が禁止され、彼女たちは新たな生活への期待と不安で心が揺れる。
 娼婦を通して女性の本質が描かれているが、特に恋人同士のペテロとエレニの幸せなひとときから、やがて訪れた不幸な瞬間のシーンが印象深かった。
 舞台劇の映画化ということで、その原作と脚本が同じ作家。原作が戯曲だからとは限らないが、この映画は印象に残る感動的なセリフが多い。
 最も胸を打たれたセリフとシーンは――。
 エレニが娼婦だったと知った時のペテロの言葉。
「心から愛した女が、淫売婦だったとは……お前が傍に腰かけ、おれはお前を抱きたくてたまらなかった。だけどお前を傷つけやしないかと怖れ、我慢したんだ。朝になると、夜が来るのが待ち遠しかった。夜はお前の眼を髪を見られる。ただそれだけで、他に何も求めなかった。だがお前は……」
 このセリフである。字幕に一部、不満の箇所もあるが、純情青年が呟くこのシーンは、胸が熱くなるほど感動的だった。


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