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夜霧のしのび逢い (ギリシャ・1963年) [感動させられた映画]

 監督はヴァシリス・ジョルジアデス。
 原作はアレコス・ガラノスの戯曲。
 脚本はアレコス・ガラノス。
 主演はジェニー・カレッティ。
 港町の歓楽街で働く娼婦たちの生きざまと悲哀が描かれる。
 青年ペテロは、エレニと恋人同士で、連日のように遊園地で会っていた。清純な美貌のエレニは自分のことをあまり語らない。しかも、時間がくると帰ってしまう。実はエレナは娼婦だったが、そのことを隠していた。仲間には、少年の恋人がいたり、父親ほどの年齢の船長にプロポーズされたりしている娼婦もいた。やがて公娼制度が禁止され、彼女たちは新たな生活への期待と不安で心が揺れる。
 娼婦を通して女性の本質が描かれているが、特に恋人同士のペテロとエレニの幸せなひとときから、やがて訪れた不幸な瞬間のシーンが印象深かった。
 舞台劇の映画化ということで、その原作と脚本が同じ作家。原作が戯曲だからとは限らないが、この映画は印象に残る感動的なセリフが多い。
 最も胸を打たれたセリフとシーンは――。
 エレニが娼婦だったと知った時のペテロの言葉。
「心から愛した女が、淫売婦だったとは……お前が傍に腰かけ、おれはお前を抱きたくてたまらなかった。だけどお前を傷つけやしないかと怖れ、我慢したんだ。朝になると、夜が来るのが待ち遠しかった。夜はお前の眼を髪を見られる。ただそれだけで、他に何も求めなかった。だがお前は……」
 このセリフである。字幕に一部、不満の箇所もあるが、純情青年が呟くこのシーンは、胸が熱くなるほど感動的だった。


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