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カティンの森 (ポーランド・2007年) [感動させられた映画]

 監督はアンジェイ・ワイダ。
 原作はアンジェイ・ムラルチク。
 脚本はアンジェイ・ワイダ、他。
 主演はマヤ・オスタシェフスカ。
 第2次世界大戦中、ソ連とドイツの占領下、ポーランド軍将校たちがカティンの森で虐殺された事件と、アンジェイ大尉の妻アンナの必死な生き様が描かれる。
 アンジェイ・ワイダ監督80歳を過ぎての作品。原作『カティンの森』は、映画の原作として書かれたので、原作の映画化ではないということ。また、アンジェイ・ワイダ監督の父はポーランド軍大尉で、カティンの森で処刑されたということである。
 暗くて悲惨な映像シーンが多く、観ているのが辛くなるような気がする映画だった。けれど最後まで惹きつけられて観てしまうのは、アメリカやフランスの戦争映画と違う描き方と感じるためかもしれなかった。戦争の不条理さや悲惨さ、絶えず生と死を意識させられる日々の連続。強大な権力と支配、人間の存在、肉親への愛、その生命、運命、宿命──。それらが短い会話のやり取りや絶望的で暗澹としたストーリー展開や人間描写や、暗くて重い映像と音楽から鮮烈に伝わってくる。アンジェイ・ワイダ監督の独特の撮影、独特の世界が随所で感じ取れるような気がした。
 ラスト近くで、アンナの甥である一途な青年が、若い娘とデートの約束をした直後、警察車に轢殺されてしまうシーンや、カティンの森の中に掘られた穴の前でポーランド軍将校たちが1人ずつ、祈りの言葉を口にしながら後頭部に銃弾を向けられ処刑されるシーンは、胸が痛く締めつけられるほど衝撃的だった。

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