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刑事 (1959年・イタリア) [陶酔させられた映画]

 監督はピエトロ・ジェルミ。
 主演はピエトロ・ジェルミと、クラウディア・カルディナーレ。
 音楽はカルロ・ルスティケリ。
 アパートに住む主婦が殺害される事件が起こる。主人公の警部が捜査を担当し、真相を突き止める。登場する人間たちの人生や愛と哀しみが描写された心理サスペンス。
 主題歌のアリダ・ケッリが歌う『死ぬほど愛して』(カルロ・ルスティケリ作曲)を私は大好きで、一時期、CDで毎日聴いていた。午後の数時間、家事をしながらCDを聴く習慣がある。『死ぬほど愛して』は、友人に貰ったCDに入っていた。他にエルヴィス・プレスリーなどのロックや、モダン・ジャズや、映画音楽が入っていたが、『死ぬほど愛して』が流れると、心身が熱くなるような感覚に襲われ、家事の手を止めたくなる。ソファの背にもたれて軽く目を閉じて聴きながら、胸の中に熱いものがあふれ出るような感じ。イタリア語で歌われる『死ぬほど愛して』を聴くと、愛する恋人を求めてせつなく悶えて死んでしまいそうなほど心も身体も狂おしいのとうったえているように感じ取れる。
 CDで初めて『死ぬほど愛して』を聴いたのではなく、あちこちで聴いて知っていた。けれど、そのCDで聴いて、初めて、深く魅了されたのだった。その時はまだ、何の映画の主題歌か知らなかった。CDをくれた友人は知っていて、『刑事』も観ていて、ストーリーを話してくれた。面白そう、と思い、ネットやショップでDVDをずいぶん探したが、なかった。NHKのBS映画劇場で初めて観たのである。
『鉄道員』(イタリア・1956年)は数回観るほど感動したから、監督・脚本・主演のピエトロ・ジェルミは知っていた。そのピエトロ・ジェルミが刑事役、そして犯人に疑われる家政婦役がクラウディア・カルディナーレ。ピエトロ・ジェルミもクラウディア・カルディナーレも個性的な演技が素晴らしくて、アメリカ映画やフランス映画と違ったイタリア映画独特の魅力を堪能できる。ラスト・シーンで『死ぬほど愛して』が流れ、観終えた後までその主題歌に熱く揺さぶられるような思いがした。

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