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裏切りの荒野 (イタリア・1967年) [少し面白かった映画]

 監督はルイジ・バッツォーニ。
 脚本はルイジ・バッツォーニ、ラルフ・セルペ。
 主演はフランコ・ネロ。
 フランスの作家メリメの小説やオペラで有名な『カルメン』のストーリーをもとにした映画ということで、興味を持った。ただし、ジャンルは、あまり好きではないマカロニ・ウェスタン。
 主人公のガンマンのホセは、自由奔放で美しいロマの女性カルメンの魅力に溺れ込んで、強盗団に加わり、逃亡し、あげくの果て、他の男に夢中のカルメンを殺害、身の破滅を招くことになる。
 フランコ・ネロのホセ役、悪くはないけれど、たくまし過ぎる感じ。もう少し、男の純真さ、ひたむきさ、弱さが出ているほうが、私は好き。マカロニ・ウェスタンだから、あのようなキャラクターになるのだと思うけれど。カルメンに翻弄されるホセへのイメージが、あるせいもある。
 カルメンのイメージも、この映画では、やはり違う。この映画だけではなく、他の映画でも、オペラでも、なかなか私のイメージするカルメンを観ることができない。映画やオペラの出来としては、それなりに面白くても、私のイメージするロマの女性らしさが、どれも欠けるためである。あくまでも私のイメージするロマの女性らしさとは何かと言えば、それは結構複雑で、運命的、宿命的、神秘的、本能的、野性的、世間にいないような女性であること。ほとんどの映画やオペラのカルメンは、現実に存在するような、奔放で快楽的刹那的魔性の女みたいな感じに描かれる。それが、私には、もの足りない。
 以前、DVDで観たオペラのカルメンは、わりとイメージが近かった。カード占いで自分の運命を、すでに知っている。闘牛士エスカミーリョに魅了されるカルメンは、もうホセのような男に〈男〉を感じない。
 ラストシーンで、ホセから殺される予感と共に、「あんたと一緒に行くのは嫌! 死んだってあたしはエスカミーリョを愛してるんだから!」というようなセリフを口にして、カード占いのとおり、生命を絶たれてしまう。そのラストシーンが私にとっては、気が遠のきそうなくらい心身を熱く揺さぶられる『カルメン』のクライマックスで、そのシーンに感動できる『カルメン』に、なかなか出会えない。
 現実に存在するようなカルメンでは興醒めであるのと同じように、現実に起こり得るような、愛と嫉妬と憎悪から男に殺害される、というだけのシーンでは、もの足りないというより不完全燃焼の気分におちいる。
 この映画はマカロニ・ウェスタンとして脚色してあるということで、マカロニ・ウェスタンとしてのそれなりの面白さは感じた。

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イングリッド・バーグマン~愛に生きた女優~ (スウェーデン・2015年) [面白かった映画]

 監督はスティーグ・ビョークマン。
 出演はイングリッド・バーグマン、イザベラ・ロッセリーニ、イングリッド・ロッセリーニ、ロベルト・ロッセリーニ、他。
 イングリッド・バーグマンのドキュメンタリー。
 イングリッド・バーグマンはアーカイブ映像。
 過去の日記やフィルム、子供たちへのインタビューによるコメントから、スウェーデン出身の女優イングリッド・バーグマンが、母国、アメリカ、イタリアで活躍した様子や、夫や子供たちと共に過ごすひとときの断片映像など、興味深く観た。
 子供たちと過ごす時の母は退屈そうだったと、イザベラ・ロッセリーニが微笑みながら語っていたのが印象に残った。

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乾いた花 (日本・1964年) [何となく観てしまった映画]

 監督は篠田正浩。
 原作は石原慎太郎。
 脚本は馬場当と篠田正浩。
 主演は池部良。
 主人公はヤクザの村木。仲間争いの殺人罪で服役し、出所して来たばかり。行きつけの賭博場へ行き、大胆な賭けをしている冴子という少女と出会って、惹かれる。冴子の要望で、大きな賭博場や危険な賭博場へ連れて行くが、クールな村木は彼女に振り回されながらも愛するようになる。
 池部良主演なので興味を持ち、観てみたが、予想どおり期待はずれ。ストーリーはつまらないし、男女のキャストの持ち味も出ているようで全然、出ていない感じ。
 池部良の演技については、あまり好評とは言えないようだが、その持ち味を生かしてくれる監督に、出会えなかったのではないかという気がする。
 現実に会って話をした池部良さんは、とても魅力的だったけれど。

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リピーテッド (イギリス/フランス/スウェーデン・2015年) [少し面白かった映画]

 監督はローワン・ジョフィ。
 原作はS・J・ワトソン。
 脚本はローワン・ジョフィ。
 主演はニコール・キッドマン。
 主人公のクリスティーンは夫と2人暮らし。事故の後遺症で、毎朝、目が覚めた時に、前日までの記憶を失っているという記憶障害。夫のことも、結婚していることも忘れてしまうが、夫は理解しながら、クリスティーンを愛していた。夫が出勤すると、担当医師のナッシュから電話がかかってくる。ナッシュの治療を受けていることを、夫には秘密にしていたが、彼の指示で、毎日、記憶をよみがえらせながら、映像日記を撮影。その記憶の断片を語る日記によって、記憶障害の原因が、誰かに襲われたためと知り、その真相を追求する。
 面白そうなミステリーだが、期待はずれ。クリスティーンの行動に、スリリングな面白さが、やや欠けることや、夫との関係が少し曖昧。担当医師のナッシュが怪しげではあるけれど、キャラクターとしてのもの足りなさも感じた。
 原作の小説は面白そうだが、この映画では、ミステリー独特のストーリー展開や予想外の結末のラストシーンに、迫力も欠ける気がした。

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冬の猿 (フランス・1962年) [面白かった映画]

 監督はアンリ・ヴェルヌイユ。
 原作はアントワーヌ・ブロンダン。
 脚色はフランソワ・ボワイエ。
 主演はジャン・ギャバンと、ジャン・ポール・ベルモンド。
 ノルマンディーの海辺で小さなホテルを経営している初老のアルベールと、一見、旅人のような宿泊客の青年ガブリエルが、その町で共に過ごす時期に起こるさまざまなドラマ。忘れ難い戦争体験のあるアルベール。旅人ではなく、その町を訪れた深刻な理由のあるガブリエル。禁酒を破って深酒を繰り返すようになるアルベール。胸に、破局の恋や幼い娘への想いを秘めたガブリエル。意気投合した2人は、泥酔して町の人々の顰蹙を買ったり、人生を語り合ったりする。
 タイトルの『冬の猿』は、
 ――冬になると迷い猿が人里に降りてくる――
 という中国の話から。中国で戦争体験したアルベールが、その話をするシーンがある。父と息子ぐらいの年齢差がある2人の短期間の交友が描かれ、地味なストーリーだが、それぞれのキャラクターの面白さがあった。アルベールと妻の関係も、ユニークな感じ。ガブリエルの娘への恋しさなど、微妙な心理も伝わってきた。 

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ジャンヌ・ダルク (フランス/アメリカ・1999年) [少し面白かった映画]

 監督はリュック・ベッソン。
 脚本はリュック・ベッソンと、アンドリュー・バーキン。
 主演はミラ・ジョヴォヴィッチ。
 15世紀のフランス。小さな村で暮らす少女ジャンヌは、神の声を聞き、城で王太子に謁見、軍を率いて母国を守る決意を語る。許可を得たジャンヌは武装し兵士たちを引き連れ、イギリスとの戦いに勝利。けれど、その後、ジャンヌは罠にかけられ、囚人となって、ついに火刑台で処刑されてしまう。
 聖女ジャンヌ・ダルクの本を読んだ後、何本か映画を観たが、この映画を含めて、イメージするジャンヌ・ダルクになかなか会えず、感動までいかない。17歳から19歳までのジャンヌ・ダルクの内面が描ききれていないような気がするからだった。神への信仰。少女特有の死を怖れない心。神秘性。清らかで、頑なで、無垢で、信心深い聖女――。本を読んだ時が一番感動した。
 この映画は、リュック・ベッソン監督の、ジャンヌ・ダルクに対する独自の解釈のようなものが伝わってきた。

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愛の監獄 (フランス/ベルギー・2016年) [少し面白かった映画]

 監督はピエール・ゴドー。
 原作はフロラン・ゴンサウヴェスとカトリーヌ・シグレ。
 脚本はピエール・ゴドー。
 主演はギヨーム・ガリエンヌ。
 主人公は刑務所所長のフィルミノ。妻子があり、仕事も家庭も順調だったが、刑務所へ移送されてきた女囚アマリの、若い肉体と美貌とセックスに溺れ込んでいく。
 愛の監獄という、そそられるタイトルだが、あまり深みのない男女のドラマ。ロマン・ポルノ・ドラマと言いたくなるようなストーリーだった。愛とセックスがテーマでも、神秘的だったり凄みがあったり純粋だったりという映画は多いが、それらのどれにも当てはまらない。主人公は本当にアマリという女囚を愛しているのか、よくわからない。アマリも、フィルミノへの愛が本物かどうかも、よくわからない。
 刑務所所長と女囚が男女の関係になるという刺激的な設定なのに、その独特の禁断の関係も、あまり伝わってこない。それでも、所長室でセックスしたり、そのベッドシーンはリアリティがあるというか、ちょっと心身が熱くさせられたけれど。

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ヒッチコックのファミリー・プロット (アメリカ・1976年) [面白かった映画]

 監督はアルフレッド・ヒッチコック。
 原作はヴィクター・カニング。
 脚本はアーネスト・レーマン。
 主演はカレン・ブラック。
 主人公はインチキ霊媒師の若い女性ブランチ。資産家の老婦人の邸宅で、インチキな霊媒術を施し始める。資産家老婦人は40年前、独身の妹が産んだ子を、里子に出した。その子に全財産を譲渡したいので、ブランチに探して欲しいと依頼。霊媒術でブランチは探し出せると承諾。恋人のタクシー運転手ジョージと共に、情報を集めて、ブランチの甥を探し出す。誘拐犯の男女と遭遇し、身の危険が迫ることに――。
 ヒッチコック最後の作品。80歳で亡くなる3年前。ヒッチコックらしいユーモアもにじみ出ていて、登場人物のキャラクターもストーリーも面白いサスペンス映画。初めて観たときより、2度目の今回のほうが面白く、楽しめた。
 晩年の作品はもの足りないというヒッチコックのファンもいるが、私にとっては、どの映画も味わい深く、他の監督とは違うサスペンス・タッチが、際立ってユニークで楽しめる。

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炎のランナー (イギリス・1981年) [少し面白かった映画]

 監督はヒュー・ハドソン。
 原作はコリン・ウェランド。
 脚本はコリン・ウェランド。
 主演はベン・クロス。
 ケンブリッジ大学の学生エイブラハムズ。陸上競技に優れていたが、ユダヤ人であるため、偏見や差別に強い反発を覚えていた。ライバルのリデルは、宣教師の父の後継者になるつもりだった。ユダヤ人差別への反発の感情を、発散させるように走るエイブラハムズ。走ることが神をたたえる行為という信念を持つリデル。友情の絆で結ばれた2人は、オリンピックの優勝を目指す。
 海辺を走る青年たちの練習風景。オリンピック優勝シーン。有名なテーマ音楽。地味なストーリーだが、エイブラハムズとリデルの内面が伝わってきた。

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マイヤーリング (アメリカ・1957年) [面白かった映画]

 監督はアナトール・リトヴァク。
 原作はクロード・アネ。
 脚色はイルムガード・フォン・クーベと、アンドリュー・マックロー。
 主演はオードリー・ヘプバーンと、メル・ファーラー。
 19世紀後半のオーストリア=ハンガリー帝国。23歳の皇太子ルドルフは、進歩的な思想を持ち、保守的な父と対立していたが、決められた女性と結婚。その生活への反発で、派手な女性関係を繰り返す。ある日、17歳の男爵令嬢マリーと出会い、初恋のように燃え上がって、愛し合うようになる。
 タイトルのマイヤーリングとは、ウィーン近郊にある狩猟館のある地名。オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子ルドルフと、男爵令嬢マリーとの心中は、マイヤーリング事件と呼ばれた。 
 ロシア出身のアナトール・リトヴァク監督。『さよならをもう一度』(アメリカ・1961年)や『将軍たちの夜』(アメリカ・1966年)が特に印象に残っている。
 この『マイヤーリング』は、『うたかたの戀』(フランス・1936年)を再映画化したテレビ映画。あまり鮮明ではないモノクロ映像だが、ルドルフとマリーのひたむきで情熱的な愛が伝わってきた。
 ラストシーン近く、マリーが、
 ――私のほうが先に死ねますように――
 と、清々(すがすが)しい心持ちの表情で呟くシーンが印象的。その言葉どおりの悲しい結末。上映時間75分のため、もの足りない気もした。

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