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ウルフマン (アメリカ・2010年) [少し面白かった映画]

 監督はジョー・ジョンストン。
 主演はベニチオ・デル・トロと、アンソニー・ホプキンス。
 主人公は有名な舞台俳優ロレンス・タルボット。満月の夜になると狼に変身して殺人鬼となってしまうロレンスの苦悩や過去の謎や悲愴な決意などが描かれるスリラー・サスペンス。
 怖い物見たさの興味で観始めたが、過去とからみ合うストーリー展開の面白さがイマイチの感じだった。狼男が出てくる映画はよくあるが、恐怖感を容易に感じさせられる派手な素材を面白くするのは、やはり、その監督次第なのだと思った。当然のことだけれど。


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山椒大夫 (日本・1954年) [感動させられた映画]

 監督は溝口健二。
 原作は森鴎外。
 脚色は依田義賢。
 主演は香川京子。
 平安時代、越後の浜辺で人買い人に騙されて母と別れさせられてしまった厨子王と安寿の兄妹は、丹後の大尽山椒大夫の屋敷で奴隷となって働き、苛酷な運命に翻弄される。
 原作の小説も読んだが、この映画のほうが、はるかに感動させられた。キャストは皆いいが、安寿を演じる香川京子が特に印象的だった。原作を超えるような映画を撮る溝口健二監督の素晴らしさをあらためて感じた。

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スーパーマン (アメリカ・1978年) [少し面白かった映画]

 監督はリチャード・ドナー。
 主演はマーロン・ブランド、ジーン・ハックマン、クリストファー・リーヴ。
 遠い星から地球にやって来て、クラーク夫婦に育てられ、新聞記者になったクラーク・ケント。スーパー能力を発揮して、正義の味方となり、人々からスーパーマンと呼ばれて悪と闘う。
 子供のころ、アニメやドラマの『スーパーマン』をテレビで見た時は、スーパーマンが格好良くて、ストーリーも面白かったと思い出す。この映画では、スーパーマンより、新聞記者のクラーク・ケントのキャラクターが好きなので、もっと登場シーンがあれば、もっと楽しめたと思った。

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太陽がいっぱい (フランス・1960年) [陶酔させられた映画]

 監督はルネ・クレマン。
 原作はパトリシア・ハイスミス。
 音楽はニーノ・ロータ。
 主演はアラン・ドロン。
 主人公のトム・リプレイは貧しいアメリカ青年。資産家の息子フィリップと親しくなってローマで遊び回るが、彼の父親からアメリカへ連れ戻すよう頼まれていた。フィリップには、パリジェンヌのマルジュという恋人がいて、彼らと一緒にトムもヨット遊びに出発。ある野心を胸に秘めていたトムは、フィリップとマルジュを喧嘩させ、怒った彼女が船から降りた後、フィリップをナイフで殺害。死体を海に捨て、トムはフィリップになりすまして、秘めていた企みを次々と実行していく。
 アラン・ドロンという俳優に、初めて魅了された映画。悪魔的美青年の表情の、アラン・ドロンの顔がアップで映るシーンが3か所あるのが印象的。絶世の美青年という言葉が、これほどふさわしい俳優は他にいないと思われるほど。
 フランス映画の魅力を初めて知ったのも、ルネ・クレマン監督とニーノ・ロータという作曲家の名前を知ったのも、この映画が初めてだった。その後、何度観たかわからない。何度観ても陶酔させられる。原作の小説も読んだが、面白いミステリーで、パトリシア・ハイスミスの小説を読むきっかけになった。
 ラストシーンの素晴らしさといったら、言葉にできないほど最高に美しく、フランス映画的なセンスを感じさせられ、これ以上素晴らしいラストシーンの映画は他にないのではないかと思うくらいである。印象的なテーマ音楽とともに、クレジットが流れ終わるのが惜しいほど、いつまでも感動と陶酔の余韻に浸っていたくなるような映画である。

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シャル・ウィ・ダンス? (アメリカ・2005年) [何となく観てしまった映画]

 監督はピーター・チェルソム。
 主演はリチャード・ギア。
 主人公は冴えない感じの中年弁護士。妻と2人の子供と暮らしているが、平凡で退屈で虚しくて無気力な生活。社交ダンスを習い始め、教室で知り合った女性に特別な感情を持つようになり、生き生きとしてくる。夫の変化に気づいた妻が、浮気を疑って調査を依頼。夫を信じ、妻もダンスを習い始める。
 聞いたことのあるタイトルなので興味が少し。退屈なストーリーに退屈なキャラクター設定で、けれど中断するほどではないという程度の、そこそこの面白さがなくもないという気がしなくもないという感じの映画だった。

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雨月物語 (日本・1953年) [感動させられた映画]

 監督は溝口健二。
 原作は上田秋成。
 脚本は依田義賢と川口松太郎。
 主演は森雅之と京マチ子。
 戦国時代の近江の国の村。主人公の源十郎は農作業の傍ら、焼物を作って町で売っていた。源十郎には妻子があり、隣家に妹夫婦が暮らしていて、仕事も焼物を作って町で売るのも共にしていた。ある日、町に出た源十郎は、陶器を大量に買ってくれた屋敷へ品物を届けに行く。立派な屋敷には、源十郎が見たこともない絶世の美女のお姫様と、使用人の老女がいて、酒肴をもてなされる。若狭姫という名の美女から妖しい誘惑を受けた源十郎は、故郷で待つ妻子も時間が経つのも忘れ、見果てぬ夢のような悦楽に溺れ込んでいく。
 陶器を売って儲けたお金で、妻に着物のおみやげを買おうとするが、若狭姫の妖しい魅力の虜になってしまう源十郎。目覚めてみると、その若狭姫が美しい死霊だったことを知り、妻子を思い出して慌てて帰郷する。そのあたりが、特に印象に残る感動的なシーンだった。

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イルマーレ (アメリカ・2006年) [少し面白かった映画]

 監督はアレハンドロ・アグレスティ。
 主演はキアヌ・リーヴスと、サンドラ・ブロック。
 青年建築家と若い女性医師のファンタジックなラブ・ロマンス。湖の傍にある家に引っ越して来た青年建築家アレックス。郵便受けに、前の住人の女性医師ケイトからの手紙が入っているのを見つける。2人は手紙のやり取りを交わすが、2年間の時間の隔たりの中に生きている。その不思議な時空を超えて、現実に会うことになる。
 キアヌ・リーヴスと、サンドラ・ブロックが似合いのカップルとは思えなかったが、観ているうちに、そうでもなくなった。ラブ・ロマンスにしては、もどかしさと退屈さの感じられるストーリー展開だったが、最後まで観てしまう程度の面白さはあった。
 タイトルの『イルマーレ』は、2人が会うレストランの名前だった。

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赤と黒 (フランス・2009年〈デジタルリマスター版〉/1954年〈オリジナル版〉) [少し面白かった映画]

 監督はクロード・オータン・ララ。
 原作はスタンダール。
 主演はジェラール・フィリップ。
 主人公のジュリアン・ソレルは僧院長の推薦で侯爵家の家庭教師になるが、子供たちの母のレナール夫人とひそかに愛し合う。そのことが発覚し、侯爵家を出て、神学校へ。平民のジュリアン・ソレルには野心があった。やがて、侯爵令嬢マチルドと恋に落ちるが、結婚寸前に過去が暴かれ、破滅する。
 デジタルリマスター版で、きれいな映像だった。原作の小説を学生時代に読んで感動したが、3時間あまりの映画にしては盛り上がりに欠けるような感じだった。ジェラール・フィリップのジュリアン・ソレル役は、それなりに適役という感じだった。
 同じスタンダール原作の『パルムの僧院』(フランス・クリスチャン・ジャック監督・1947年)は、小説と同じくらい感動的で、初めてジェラール・フィリップに魅了された映画だった。この映画もデジタルリマスター版で観たいと思った。

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ミセス・ダウト (アメリカ・1993年) [少し面白かった映画]

 監督はクリス・コロンバス。
 主演はロビン・ウィリアムズ。
 離婚した夫ダニエルは声優。妻と暮らす子供たちを愛するあまり、女装した家政婦となって元妻の家で働く。
 それなりに面白いコメディで、女装の家政婦姿はおかしかった。主人公のキャラクターは、人間的な魅力がイマイチ欠ける感じ。キャストも何となくイマイチという感じだったが、それなりの面白さはあった。

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赤線地帯 (日本・1956年) [感動させられた映画]

 監督は溝口健二。
 脚本は成澤昌茂。
 主演は若尾文子、京マチ子、進藤英太郎。
 赤線廃止法案が国会で議論された時代。吉原の『夢の里』で働く売春婦たちの人間ドラマが描かれる。
 客の男に結婚の約束で大金をせしめ、騙されたと知った男から殺されかかるやすみ。夢を託していた一人息子に嫌われて、発狂してしまうゆめ子。無職の夫に赤児を預けて働きながら、自殺未遂の夫を守ろうとするハナエ。社長の父親に反発して家出し、黒人兵の愛人だった過去を持つミッキー。売春婦になる下働きの少女。「政治の行き届かないところをカバーする社会事業なんだ」と、売春婦たちに諭(さと)す売春宿の主人。『夢の里』に通いつめる客たち──。
 吉原の売春婦が出てくる映画は何本か観たが、この『赤線地帯』ほど人間を、女性を、描ききった映画はなかった。登場人物たちのキャラクター設定のみごとさ。ストーリーの面白さ。キャストたちの個性的な演技。ラストシーンの素晴らしさ。何度観ても感動してしまうのは、売春婦たちを同情や憐れみの眼で見るのではなく、女の本質と本能と愛と生きる強さとしたたかさを見据えているような溝口健二監督の眼が感じられる映画だから──と、そう思った。

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