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ハムレット (イギリス・1997年) [面白かった映画]

 監督はケネス・ブラナー。
 原作はウィリアム・シェイクスピア。
 脚本はケネス・ブラナー。
 主演はケネス・ブラナー。
 19世紀のデンマーク。王子ハムレットは、急死した国王の亡霊から、王位に就いた弟クローディアスに毒殺されたと聞かされて、復讐を果たす。
 上映4時間の大作。イギリス映画らしい映画、という感じ。
 監督・脚本・主演のケネス・ブラナーの、独自の解釈とキャラクター作りによるハムレット像が描かれている。
 中盤、やや冗漫に感じられるシーンもあったが、4時間が決して長くないと思えるような面白さだった。

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大空港 (アメリカ・1970年) [少し面白かった映画]

 監督はジョージ・シートン。
 原作はアーサー・ヘイリー。
 脚色はジョージ・シートン。
 主演はバート・ランカスター。
 ローマ行き航空機内に、爆弾が持ち込まれたという通報。機長とスチュワーデスが、爆弾の入ったアタッシュ・ケースを必死で探すうち、犯人は爆発と同時に自殺。航空機に亀裂が入り、空中分解の危険を避けて、ケネディ空港に戻ろうとするが、猛吹雪のため空港は全機能が停止。機体に破損箇所ができたことで、乗客たちは酸素不足の苦しみに陥る。空港のジェネラル・マネージャーであるベーカースフェルドは、空港の機能維持を必死で探り、救難作業を行う。
 猛吹雪の中、機能しないコンピューターに、未曾有の危機に直面した、空港のジェネラル・マネージャーと機長とスタッフたち、さまざまな事情の乗客たちを描いていて、航空パニック映画としての、それなりの面白さがあった。
 ただし、現在はもっとコンピューターが進化しているから、もっと早く解決できたり、危機を回避できたりして、乗客の安全は保証されているような気がする。
 ジェネラル・マネージャーを演じたバート・ランカスターの存在感が、他の映画に較べて、やや薄く、もの足りなかった。

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ヒッチコック (アメリカ・2012年) [少し面白かった映画]

 監督はサーシャ・ガバシ。
 脚本はジョン・マクラフリン。
 主演はアンソニー・ホプキンス。
 大好きなアルフレッド・ヒッチコック監督が、どのように描かれているか興味を持った。
 けれど――。
 観始めて、すぐ、何となく失望。主役を演じるアンソニー・ホプキンスを見た時だった。嫌いな俳優ではないが、そう好きでもない。『羊たちの沈黙』(アメリカ……1991年)は適役で良かったが、他に何本か観た映画では、あまり印象に残るような面白さは感じなかった。
 体型を、ヒッチコック監督と同じようにしているが、独特の雰囲気が、全く出ていない。
 テレビでヒッチコック監督のドキュメンタリーを何本か観たので、そのせいかもしれない。
 アンソニー・ホプキンスの独自の解釈のヒッチコック監督、になっているかもと、少しは期待して最後まで観たが、やはり、もの足りない映画だった。ただし、伝記ドラマとして観るなら、夫婦の愛憎とか映画制作の資金難とか、興味深いシーンもあった。

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怪談 (日本・1965年) [面白かった映画]

 監督は小林正樹。
 原作は小泉八雲。
 脚色は水木洋子。
 主演は三國連太郎、仲代達矢、他。
 ギリシャ出身のラフカディオ・ハーン、小泉八雲の怪奇短編作品集から、『黒髪』、『雪女』、『耳無抱一の話』、『茶碗の中』の映画化。
『黒髪』は、貧しい暮らしをしていた武士が、妻と家を捨て、念願の仕官になれたものの、家柄の良い妻は冷たく、愛のない生活。捨てた妻への愛に気づき、帰宅して妻と再会。愛の一夜から目を覚ますと、驚愕の真実を知る。
『雪女』は、吹雪の夜、雪女に出会った若い樵夫(きこり)。美しい娘のお雪と出会い、結ばれて、子供も生まれる。幸せで平穏な暮らしを送っていたが、雪女との約束を破ったことで、実はその雪女だった妻は、去って行ってしまう。
『耳無抱一の話』は、琵琶の名人で寺に仕える抱一が、毎夜、寺を抜け出して、平家の怨霊に取り憑かれ、琵琶を弾き続ける。そのことを知った寺の住職が、抱一の全身に経文を書かせて平家の怨霊を近づけさせないようにするが、経文を書き忘れた耳を、怨霊から切り取られてしまう。
『茶碗の中』は、家臣の関内が、茶の入った茶碗の中に、若い侍の不気味な顔が映る現象が繰り返され、家に来訪したその侍と、ついに決闘となる。
 原作の短編集を、昔、読んで面白かったと思い出す。この映画は4本の作品で、約3時間。どれも面白かったが、1本目の『黒髪』が、一番面白く印象に残った。 

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アルバート氏の人生 (アイルランド・2011年) [少し面白かった映画]

 監督はロドリゴ・ガルシア。
 原作はジョージ・ムーア。
 脚本はグレン・クローズ、ガブリエラ・プレコップ、ジョン・バンヴィル。
 主演はグレン・クローズ。
 19世紀のアイルランド。主人公のアルバートは高級ホテルのレストランで、ウェイターをしている。実はアルバートは女性で、男性を装っていたが、そのことを秘密にしていた。性同一性障害者ではなく、生活していくために、仕方なく選んだ道だった。すでに中高年だが、チップや給料からコツコツ貯めたお金をもとに、小さな煙草ショップを開業する夢を持っていた。
 アイルランドの映画は珍しいので興味を持った。最初、主人公は性同一性障害者と思い込んで見ていたら、そうではなかった。生きていくための手段で、いずれは女性に戻って人生をリセットするのかと思って期待した。けれど――。
 自分と同じように、男を装って生きているボイラー職人のジョーとの友人関係が、中途半端な感じで、もの足りなく、煙草ショップを開業して一緒に暮らしたい若いメイドのヘレンとの関係も、同じように中途半端な感じ。ラストは悲惨で、やや不自然なストーリーの結末に思えた。
 アイルランドの地図や気候を、時々、思い浮かべながら観ていたが、主人公にとっては救われることのない、暗いストーリーに感じられた。
 
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何がジェーンに起こったか? (アメリカ・1962年) [面白かった映画]

 監督はロバート・アルドリッチ。
 原作はヘンリー・ファレル。
 脚色はルーカス・ヘラー。
 主演はベティ・デイヴィスと、ジョーン・クロフォード。
 2人の姉妹。妹のジェーンは6歳から、ベビイ・ジェーンという芸名で舞台に立ち、可愛らしく歌って踊る人気の子役。歳月が流れて大人になると、ジェーンの人気は落ち、姉のブランチがスターに。ある夜、ブランチは自動車事故で生涯、半身不随となってしまい、車椅子の生活。同乗のジェーンは無事だったため、故意の事故と疑われる。両親が亡くなり、2人は古い邸宅で孤独に暮らすが、食事など姉の面倒をみるジェーンは、姉を軟禁状態にして電話もかけさせず、さまざまな異常行動で嫌がらせをする。アルコール依存症で、子役時代の名声が忘れられず、当時のように歌って踊ることだけを夢見ている。そんな妹の病んだ精神状態を、姉は案じながら、自動車事故の真実を、秘密にして生きていた。
 ジャンルは心理スリラー。姉妹の確執、嫉妬、憎悪、暴行、それらが昔の自動車事故の夜と関連して、ラストで真実が明かされる面白さ。
 アルコール依存症で精神を病んでいたジェーンは、海辺で瀕死状態の姉から、自動車事故の真実の告白を聞いた瞬間、ふと正気に戻ったように、「私たち、無駄に憎み合っていたのね」と呟く。その言葉と、姉のために売店へアイスクリームを買いに行くシーンが、感動するほど印象的だった。子役時代、ジェーンが両親に向かって、「あたしが稼いでるのよ」と、アイスクリームをねだって、「ブランチにもね」と言うシーンがある。映画の最初と最後にアイスクリームが出てくる原作・脚本の素晴らしさを感じた。  
 ジェーンの役を演じるベティ・デイヴィス。凄みのある熱演の、この上ない適役。ジョーン・クロフォードも適役。
 ただ、字幕翻訳でひっかかる箇所がいくつかあった。たとえば、最後のシーンの海辺で、ブランチが自動車事故の真実の告白の時、「あの時から、あなたは美しくなくなったわ」より「あの時から、あなたは変わってしまったわ」の意訳のほうが、私の感性には合う。そんなふうに、ピンとこない翻訳がところどころあって、工夫しての意訳になっていないため、ひっかかる箇所では、やや興醒めだった。
 DVDだと翻訳者は違うので、もっと楽しめるかもしれないから、DVDでもう1度観てみようと思った。

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デッドorキル (アメリカ・2012年) [何となく観てしまった映画]

 監督はデヴィッド・ガイ・レヴィ。
 脚本はシュテフェン・シュラヒテンハウフェン。
 主演はブリタニー・スノウ。
 ある資産家から誘われて集まったのは、金銭的援助を求める男女8人。援助が得られる優勝者1人を決めるためのゲームが行われる。それは、暴力から次第にエスカレートしていき、身の危険を感じさせられるような、リスクを伴うゲームだった。
 ジャンルがサスペンスなので、期待して観始めたら、眼をそむけたくなるようなゲームの暴力シーン。ホラーの味付けのサスペンスというような感じの映画だった。
 優勝して高額の援助は欲しい、けれど、あまりにも残酷なゲームの連続に、帰ろうとしても帰れない8人の男女。極限まで追い詰められて、逃げようにも逃げられなくなってしまう男女たちの、恐怖や焦燥感が、不気味に恐ろしく伝わってきた。
 中断して観るのをやめようかと思いながらも、結末がどうなるのかという小さな興味で最後まで観たが、後味の悪い映画だった。

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秘密の花園 (アメリカ・1993年) [面白かった映画]

 監督はアニエシュカ・ホランド。
 原作はフランシス・ホジソン・バーネット。
 脚本はキャロライン・トンプソン。
 主演はケイト・メイバリー。
 主人公は10歳の少女メアリー。インドを襲った大地震で両親を失い、イギリスで暮らす伯父クレイヴン伯爵に引き取られることになる。かつてインドの邸宅では親からも愛を注がれなかったメアリーは、反抗心を胸に秘めていて、伯爵家の家政婦であるメドロック夫人からは冷たくされるが、若い召し使いのマーサに親愛の情を抱く。
 迷路のような道があり大自然に囲まれた伯爵家の邸宅に、秘密の花園の鍵を見つけたメアリーは、召使いのマーサの弟と遊ぶうち、伯爵の息子であるコリンという少年が、隔離された病床のベッドで暮らしていることを知る。メアリーは、喧嘩しながらも従弟のコリンに勇気を与えて、自力で花園の庭園を歩けるように訓練する。やがて枯木の多かった荒(すさ)んだ花園は、3人の少年少女たちが遊び回るうち、春の花々の芳香に満ちた輝かしい花園となって美しく甦った。
 愛情に飢えて孤独に育ったメアリーが、真実の愛に目覚めて次第に変わっていくところや、メアリーによって、息子に冷淡に接していた伯父と従弟が和解したり、臆病なコリンを奮い立たせるメアリーの賢さが伝わってきた。
 結末も感動的で、秘密の花園がまるで歓喜を表現するように美しく甦るファンタジー・シーンが印象的だった。
 ヒロインを演じるケイト・メイバリーは、テレビ映画で子役デビューしたイギリスの女優で、表情豊かな演技がみごとな適役。他のキャストも皆、良かった。
 アニエシュカ・ホランド監督はポーランド出身。ポーランド語の発音ではアグニェシュカ・ホラント。脚本家でもあり、アンジェイ・ワイダ監督の脚本も担当したということである。
 脚本はアメリカの脚本家。原作はイギリス生まれのアメリカの小説家。少女の心の内面、病弱な少年のコンプレックスや憧れ、家政婦や召し使いの、少年少女への眼、伯爵の孤独感と愛への渇望など、すべてが、きめ細やかに描かれ、ていねいに撮影されているのは、監督も原作も脚本も女性だからだろうか。秘密の花園を、象徴のように描いた素晴らしい逸品、絶品、芸術映画作品と言えると思う。

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チャットレディ 偽りの代償 (イタリア・2014年) [少し面白かった映画]

 監督はミルカ・ヴィオラ。
 脚本はアンジェリカ・ガロ、アンドレア・タリアコッツォ。
 主演はアントニア・リスコヴァ。
 主人公は、大手企業勤務のアリーチェ。リストラで解雇され、知人女性たち3人に声をかけて、アダルトサイトを立ち上げる。ネットのウェブカメラに向かって、自分たちのセクシーな肉体を見せつけ、ビデオチャットで男性会員から利用料を払わせて稼ぐという事業だったが、予想外のトラブルが起こり始める。
 官能サスペンスのジャンルなので期待したが、ストーリーにスリリングなシーンや登場人物のキャラクターの面白さが欠けているため、もの足りない感じだった。

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愛しのロクサーヌ (アメリカ・1987年) [面白かった映画]

 監督はフレッド・スケピシ。
 原作はエドモン・ロスタン。
 脚本はスティーヴ・マーティン。
 主演はスティーヴ・マーティン。
 大きな鼻にコンプレックスを持っている、消防団長のC・D・ベイラズは、彗星の研究のために町にやって来た天文学者のロクサーヌに恋をする。ロクサーヌは若い新人消防士クリスのルックスに惹かれ、クリスもロクサーヌに想いを寄せる。消防団長C・Dは、自分の心を隠し、クリスに頼まれてロクサーヌへのラブレターを代筆したり、2人がデートの夜、ロクサーヌへの甘い言葉をクリスに教えたり。ロクサーヌは手紙の詩的でロマンティックな言葉に酔わされるが、それらが偽の手紙で、書いていたのは消防団長のC・Dと知り、憤慨するが、彼への真実の愛に気づく。
『シラノ・ド・ベルジュラック』(フランス/ハンガリー・1990年)のアメリカ版コメディで、主なストーリー展開やキャラクター設定は似ているが、職業を消防団長にしたところが面白かった。その消防団長を演じたスティーヴ・マーティンが適役で、大きな鼻のコンプレックスも、ロクサーヌへの恋心も、ユーモラスに時にはシリアスに伝わってきた。
『シラノ・ド・ベルジュラック』も面白かったが、ラストがハッピー・エンドのこの映画も、楽しく面白かった。

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