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デッドorキル (アメリカ・2012年) [何となく観てしまった映画]

 監督はデヴィッド・ガイ・レヴィ。
 脚本はシュテフェン・シュラヒテンハウフェン。
 主演はブリタニー・スノウ。
 ある資産家から誘われて集まったのは、金銭的援助を求める男女8人。援助が得られる優勝者1人を決めるためのゲームが行われる。それは、暴力から次第にエスカレートしていき、身の危険を感じさせられるような、リスクを伴うゲームだった。
 ジャンルがサスペンスなので、期待して観始めたら、眼をそむけたくなるようなゲームの暴力シーン。ホラーの味付けのサスペンスというような感じの映画だった。
 優勝して高額の援助は欲しい、けれど、あまりにも残酷なゲームの連続に、帰ろうとしても帰れない8人の男女。極限まで追い詰められて、逃げようにも逃げられなくなってしまう男女たちの、恐怖や焦燥感が、不気味に恐ろしく伝わってきた。
 中断して観るのをやめようかと思いながらも、結末がどうなるのかという小さな興味で最後まで観たが、後味の悪い映画だった。

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秘密の花園 (アメリカ・1993年) [感動させられた映画]

 監督はアニエシュカ・ホランド。
 原作はフランシス・ホジソン・バーネット。
 脚本はキャロライン・トンプソン。
 主演はケイト・メイバリー。
 主人公は10歳の少女メアリー。インドを襲った大地震で両親を失い、イギリスで暮らす伯父クレイヴン伯爵に引き取られることになる。かつてインドの邸宅では親からも愛を注がれなかったメアリーは、反抗心を胸に秘めていて、伯爵家の家政婦であるメドロック夫人からは冷たくされるが、若い召し使いのマーサに親愛の情を抱く。
 迷路のような道があり大自然に囲まれた伯爵家の邸宅に、秘密の花園の鍵を見つけたメアリーは、召使いのマーサの弟と遊ぶうち、伯爵の息子であるコリンという少年が、隔離された病床のベッドで暮らしていることを知る。メアリーは、喧嘩しながらも従弟のコリンに勇気を与えて、自力で花園の庭園を歩けるように訓練する。やがて枯木の多かった荒(すさ)んだ花園は、3人の少年少女たちが遊び回るうち、春の花々の芳香に満ちた輝かしい花園となって美しく甦った。
 愛情に飢えて孤独に育ったメアリーが、真実の愛に目覚めて次第に変わっていくところや、メアリーによって、息子に冷淡に接していた伯父と従弟が和解したり、臆病なコリンを奮い立たせるメアリーの賢さが伝わってきた。
 結末も感動的で、秘密の花園がまるで歓喜を表現するように美しく甦るファンタジー・シーンが印象的だった。
 ヒロインを演じるケイト・メイバリーは、テレビ映画で子役デビューしたイギリスの女優で、表情豊かな演技がみごとな適役。他のキャストも皆、良かった。
 アニエシュカ・ホランド監督はポーランド出身。ポーランド語の発音ではアグニェシュカ・ホラント。脚本家でもあり、アンジェイ・ワイダ監督の脚本も担当したということである。
 脚本はアメリカの脚本家。原作はイギリス生まれのアメリカの小説家。少女の心の内面、病弱な少年のコンプレックスや憧れ、家政婦や召し使いの、少年少女への眼、伯爵の孤独感と愛への渇望など、すべてが、きめ細やかに描かれ、ていねいに撮影されているのは、監督も原作も脚本も女性だからだろうか。秘密の花園を、象徴のように描いた素晴らしい逸品、絶品、芸術映画作品と言えると思う。

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チャットレディ 偽りの代償 (イタリア・2014年) [少し面白かった映画]

 監督はミルカ・ヴィオラ。
 脚本はアンジェリカ・ガロ、アンドレア・タリアコッツォ。
 主演はアントニア・リスコヴァ。
 主人公は、大手企業勤務のアリーチェ。リストラで解雇され、知人女性たち3人に声をかけて、アダルトサイトを立ち上げる。ネットのウェブカメラに向かって、自分たちのセクシーな肉体を見せつけ、ビデオチャットで男性会員から利用料を払わせて稼ぐという事業だったが、予想外のトラブルが起こり始める。
 官能サスペンスのジャンルなので期待したが、ストーリーにスリリングなシーンや登場人物のキャラクターの面白さが欠けているため、もの足りない感じだった。

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愛しのロクサーヌ (アメリカ・1987年) [面白かった映画]

 監督はフレッド・スケピシ。
 原作はエドモン・ロスタン。
 脚本はスティーヴ・マーティン。
 主演はスティーヴ・マーティン。
 大きな鼻にコンプレックスを持っている、消防団長のC・D・ベイラズは、彗星の研究のために町にやって来た天文学者のロクサーヌに恋をする。ロクサーヌは若い新人消防士クリスのルックスに惹かれ、クリスもロクサーヌに想いを寄せる。消防団長C・Dは、自分の心を隠し、クリスに頼まれてロクサーヌへのラブレターを代筆したり、2人がデートの夜、ロクサーヌへの甘い言葉をクリスに教えたり。ロクサーヌは手紙の詩的でロマンティックな言葉に酔わされるが、それらが偽の手紙で、書いていたのは消防団長のC・Dと知り、憤慨するが、彼への真実の愛に気づく。
『シラノ・ド・ベルジュラック』(フランス/ハンガリー・1990年)のアメリカ版コメディで、主なストーリー展開やキャラクター設定は似ているが、職業を消防団長にしたところが面白かった。その消防団長を演じたスティーヴ・マーティンが適役で、大きな鼻のコンプレックスも、ロクサーヌへの恋心も、ユーモラスに時にはシリアスに伝わってきた。
『シラノ・ド・ベルジュラック』も面白かったが、ラストがハッピー・エンドのこの映画も、楽しく面白かった。

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サボタージュ (イギリス・1936年) [面白かった映画]

 監督はアルフレッド・ヒッチコック。
 原作はジョセフ・コンラッドの『密偵』。
 脚本はチャールズ・ベネットと、イアン・ヘイ。
 主演はオスカー・ホモルカ。
 主人公は映画館主のカール。妻にも秘密で、破壊行為(サボタージュ)を行うテロ活動をしている。今回の標的は、ロンドン市長の就任パレード。刑事が、八百屋の従業員になりすまして見張っている中、カールは幼い義弟に、中身を知らせず時限爆弾の入った包みを運ばせるが、道草を喰ったため義弟はバスに乗車中、爆破されて死んでしまう。
 ヒッチコック監督の2作目で、原題は『The Secret Agent』(諜報部員)。
 映画館主と、その妻に対する、青年刑事の対立や同情などの心の動きや、館主が妻から殺される時の心理が伝わってくるシーンが、特に面白かった。
 ヒッチコックの映画は古くても新しくてもすべて好きなので、観る前からワクワクするし、どの映画も楽しめる。
 この映画撮影の3年後に、アメリカで活躍するようになった他の作品とは、ひと味違うようなタッチと面白さを感じた。

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あの頃ペニー・レインと (アメリカ・2000年) [面白かった映画]

 監督はキャメロン・クロウ。
 脚本はキャメロン・クロウ。
 主演はパトリック・フュジット。
 主人公は、大学教授の母と、姉のアニタと共に暮らす15歳のウィリアム少年。姉は、厳しい教育方針の母に反抗して、恋人と共に家を出る。その姉が部屋に置いて行き、ウィリアムにすすめたロックのレコードを聞くうち、ウィリアムはすっかり魅了されたロックについての記事を書き始めた。その記事を、ロック雑誌の出版社に郵送。認められて、原稿の注文を受ける。ウィリアムの好きな新進バンドのツアーに同行して取材し、記事を書くことに。そのバンドの追いかけ少女であるペニー・レインに恋をするが、彼女はバンドのギタリストの愛人だった。
 音楽ライター志望の少年の淡い恋と、ロックのメンバーたちや母や姉との関係を通して、ウィリアムが少年の眼で見て行く世界、そして成長していく様子が描かれていく。
 タイトルの『ペニー・レイン』(Penny Lane)は、ビートルズ・ナンバー。ビートルズの故郷のリヴァプールにあるバス通りの名前で、日本でもブティックや飲食店の看板で見かけるし、吉田拓郎の『ペニー・レインでバーボン』という歌もある。ただし、原題は『Almost Famous』(ほとんど有名)。
 この映画では、少年が淡い恋心を寄せる少女の名前で、ペニー・レインというニックネーム。本名は、誰も知らない。そのペニー・レインを演じるケイト・ハドソンが、謎めいた美少女のキャラクターを個性的にみごとに演じている。
 主人公の母や姉や先輩ライターやバンド・メンバーたちなど、登場人物がそれぞれ面白く描かれているが、何と言っても、この映画を面白くしているのは、主人公ウィリアムの独特のキャラクター。主役のパトリック・フュジットが、とてもヴィヴィッドでユニークでみずみずしくて可愛らしくて純真でひたむきな少年の姿を浮き彫りにしていること。
 ところどころ、思わずクスッと笑ってしまうようなシーンもあり、予想外の結末のラストシーンも爽やか。みごとなオチで、脚本の素晴らしさを感じさせられる。
 ウィリアム少年が母の言いつけを、守ったり破ったりしながらも、音楽ライターの仕事に夢中になり、1970年代のストーリーなのでリュックやデイパックではなく、ショルダー・バッグを揺らして走る姿が、何とも可愛らしくて印象に残った。
 脚本も書いたキャメロン・クロウ監督は、16歳で『ローリング・ストーン』誌の記者をしていたということ。この映画は、キャメロン・クロウ監督の自伝的ストーリーで、少年時代に大人たちと交じわっての、ユニークで豊富な体験が伝わってきた。 

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ドク・ハリウッド (アメリカ・1991年) [面白かった映画]

 監督はマイケル・ケイトン・ジョーンズ。
 原作はニール・B・シェルマン。
 脚本はジェフリー・プライスと、ピーター・S・シーマンと、ダニエル・パイン。
 主演はマイケル・J・フォックス。
 主人公は外科医ベン・ストーン。救急病院の勤務に嫌気がさして、ビバリーヒルズで美容整形外科医になることを決意。その美容外科クリニックでの面接に行くため、愛車を走らせる途中、南部の田舎道で事故を起こしてしまう。事故の代償として、医師不足の町の診療所で、無料奉仕することになってしまった。
 おかしくて笑えるハート・ウォーミング・コメディ。マイケル・J・フォックスの外科医役が、とてもいいのである。収入の少ない救急病院から、高収入を得られるビバリーヒルズの美容整形外科医になろうとする、軽薄だが優秀な医師のキャラクターを、コメディ・タッチで演じてマイケル・J・フォックスの持ち味と魅力がよく出ている。
 ストーリーも面白く、登場人物たちも、皆、面白い人間ばかり。美人助手ルーとの関係も、爽やかに描かれている。
 町の住人の主婦の、出産シーンには驚きだった。婦人科医ではなく、外科医がお産を取り扱う、赤ちゃんを取り上げたり、処置したりできることに少し驚いた。
 女性とお酒を飲むシーンで、『ベッドルームの静かな恐怖』という名前のカクテルが出てきたのも、おかしかった。ベッドルームの静かな恐怖、って、意味ありげというか意味深というか……。
 あらためてマイケル・J・フォックスという俳優の情報を読んでみると、30歳の時、パーキンソン病を発症、とあるが、この映画の撮影が30歳。撮影後の発症だと思うが、98年にパーキンソン病であることを公表。『マイケル・J・フォックス パーキンソン病リサーチ財団』を設立し、自伝の著書がベストセラーに。カナダ出身で、陸軍軍人の父親の家庭、5人兄弟の4番目、ということなども知った。

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麻雀放浪記 (日本・1984年) [面白かった映画]

 監督は和田誠。
 原作は阿佐田哲也。
 脚本は和田誠と、澤井信一郎。
 主演は真田広之。
 終戦後の上野。主人公の青年・哲は、バクチを教えてくれた男・虎と偶然会ったことから、賭博の場に連れて行かれ、プロの賭博師・ドサ健を知って友達になり、麻雀にのめり込んでいく。また、アメリカ兵相手の秘密カジノのママとの関係で、哲は初めて女性を知り、夢中になる。一方、ドサ健の愛人まゆみに対して、特別な感情を抱く。まゆみはドサ健から女郎に売り飛ばされそうになるが、それでもひたむきにドサ健を愛し続ける。
 阿佐田哲也の小説の映画化。小説も面白かったし、この映画も面白い。若い哲が、未知の世界の女性の心の動きを知っていくところ。世間の荒波に揉まれた大人の女であるカジノのママと、対照的に純真でひたむきなまゆみ。ドサ健を通して、勝負師という人間を見つめて、心が揺れるところ。ラストシーンは衝撃的で驚かされるが、人間の生き死にに半ば麻痺しているような、終戦直後という時代背景のせいもあるのだろうか。
 真田広之は、好きな俳優。この映画も適役に思えるけれど、やはり『道頓堀川』(日本・1982年)の、年上の女性を愛する画家志望の青年役が、素敵で素敵で、忘れ難い。思い出したら、『道頓堀川』をまた観たくなった。

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スピード2 (アメリカ・1997年) [少し面白かった映画]

 監督はヤン・デ・ボン。
 脚本はランドール・マコーミック、ジェフ・ネイサンソン。
 主演はサンドラ・ブロック。
 主人公のアニーと恋人のアレックスが、休暇で豪華客船の旅行に出かけた時のできごと。乗客のガイガーは航海士を装い、船のエンジンを壊したり、操縦室に小型受信機を仕掛けて、船の自動操縦プログラムを自分のコンピュータに移す。ガイガーはこの客船のプログラムの設計者だったが、解雇されて以来、精神を病んでいた。船長を殺してしまい、船内に時限爆弾をセットして、あちこちで爆発が起こる。アニーの恋人のアレックスはSWAT(アメリカ警察の特殊部隊)隊員で、生命がけで危険な作戦を実行していく。
『スピード』(アメリカ・1994年)の続編のサスペンス・アクション。
 サンドラ・ブロックはコメディ・タッチのサスペンスで魅力を発揮する女優だが、この映画では存在感が希薄で、もの足りなかった。
 異常な精神状態の犯人との闘いのシーンは、それなりにサスペンスの面白さがあった。

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あしたのパスタはアルデンテ (イタリア・2010年) [面白かった映画]

 監督はフェルザン・オズペテク。
 脚本はフェルザン・オズペテク、イヴァン・コトロネーオ。
 主演はリッカルド・スカマルチョ。
 主人公は作家志望の青年トンマーゾ。自宅のローマから、パスタ会社経営の実家で開かれる晩餐会出席のため、南イタリアへ。兄の新社長就任発表の晩餐会の前に、兄に秘密を打ち明ける。作家志望であること、ゲイであること、大学は経営学部ではなく文学部を卒業したこと。それらの秘密を親族の前で告白するつもりと。ところが、兄のアントニオが晩餐会で自分がゲイであることを告白。父が驚愕と激怒のあまり、心臓発作を起こして入院。トンマーゾは、秘密を告白しそびれて、実家に滞在することになってしまった。
 イタリア映画らしいというより、イタリア映画中のイタリア映画。イタリア映画の魅力を、たっぷり堪能できる面白い映画だった。父と息子の対立や、母親の苦悩、兄弟喧嘩、自分はゲイであることを隠し続けることになるトンマーゾの迷いや悩み、出版社に持ち込んだ原稿がボツになったり、ゲイの仲間たちがやって来たり、ラスト近くでは母親が、丹念なメイクをして好物のケーキを片っ端から食べた直後に自殺――など、主人公を中心に登場人物たちの内面も描かれて、予想外のストーリー展開の面白さ。決して暗くなく、ユーモラスなシーンあり、シリアスなシーンありで、テンポ良く淡々と進んで行くが、根底には家族愛もあるし、それぞれの愛の対象との関係や感情もきちんと描かれている。
 こんな面白い映画を撮影し、脚本も担当したフェルザン・オズペテク監督、58歳。トルコ出身の脚本家でもある監督で、イタリアに住み、ゲイであるということ。道理でと思われるほど、この映画で描かれるゲイの愛も内面も、決して特殊ではなく、ひとつの美しい愛のかたちと感じさせられる。
 主人公の作家志望青年を演じたイタリア俳優リッカルド・スカマルチョは、濃い顔立ちのイケメンで、その眼とまなざしの表現力は抜群。他のキャストもすべて良かった。
 邦題のアルデンテとは、スパゲッティの麺の中心部に芯が少し残っている茹で加減の意味、ということを知った。
 原題は『Mine vaganti』。何をしでかすかわからない危険人物、という意味らしいが、主人公始め、登場するすべての人物に言えることのような気がした。

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